サッカーJ1・浦和レッズのサポーターが、中学校の吹奏楽部員らによる「復興ライブ」の演奏中に、応援歌を歌い始める騒ぎがあった。2018年10月7日の対ベガルタ仙台戦(ユアスタ仙台)の試合前イベントでの出来事だ。
仙台側は正式な抗議文を出す予定はないというが、関係者は「(イベントの内容を踏まえると)サポーターとして、人としてどうなのか」とポツリ。一方の浦和広報は、演奏を意図的に妨害することは「ありえない」との見方を示す。
復興ライブにチャントかぶせる
騒動が起きたイベントは、東日本大震災の復興支援プロジェクト「ソフトバンク東北絆CUP」の一環で行われたもの。試合前のピッチ上で、地元の中学生らが吹奏楽の演奏を披露したのだ。
だが、この「復興ライブ」の真っ最中に、浦和サポーターが「チャント」と呼ばれる応援歌を歌い始めた。現地にいた観客が撮影した動画を見ると、中学生らの演奏をかき消すような勢いで、大音量のチャントがスタジアムに響く様子が分かる。
J-CASTニュースの取材に応じた観客の1人は、浦和側からの応援は演奏開始から約3分後に始まったと説明。ライブが中断するほどの混乱は生じなかったが、別の観客によると、なかには「涙を見せている中学生もいた」という。
浦和側の応援行為を受けて、仙台サポからはブーイングが起きた。だが、しばらくすると浦和サポへのブーイングは止み、中学生たちの演奏を後押しするような手拍子が始まったという。
なお、中学生らは仙台側のゴール裏付近で、スタンドに向かって演奏を行っていた。そのため、ピッチの反対に位置する浦和サポーターからは背を向ける形で、距離的にも遠かったことは確かだ。
そのため浦和サポ側からは、今回の一件についてツイッターやネット掲示板に、
「アウェイ側を蚊帳の外にしてるんだから、そりゃ勝手に歌い出すわ」
「復興ライブなのになぜあの仙台側の端っこほうでやるのが疑問です」
といった意見も出ている。