元横綱・日馬富士が幕内・貴ノ岩に傷害を負わせた事件で、東京相撲記者クラブ会友の大隅潔氏が2018年10月8日放送の「ひるおび!」(TBS系)に出演し、「(貴ノ岩は)殴られた後、口封じされた」との情報を暴露した。
日本相撲協会の危機管理委員会が認定した事実からは、貴ノ岩は事件の存在を自らの意思で隠していたように受け取れる。インターネット上では今回の大隅氏の「口封じ」発言に、「誰が、いつ、何処で? 裁判で証言して欲しい」と、新事実の解明を期待する声もあがった。
「親方に言うなよ」
貴ノ岩側は元日馬富士側に、暴行傷害事件による損害賠償を請求する民事訴訟を提起した。だが、請求額の2413万5256円をめぐり元日馬富士側は50万円程度が妥当だとしており、両者の主張は対立している。
8日の「ひるおび!」では、請求額のうち入院治療費として算定された約435万円について、元日馬富士側の関係者が「入院する必要も休場する必要もなかった」と考えていると紹介。日本スポーツ法学会所属の恒石直和弁護士は「日馬富士側の主張としてそう出てくるのはわかる」と述べた。
というのも、貴ノ岩は巡業中の17年10月25日深夜、モンゴル力士らが集まった酒席で元日馬富士に頭を殴られるなどして傷害を受けたが、翌26日の鳥取巡業にも参加している。恒石氏は「実際、事件直後の巡業に出ている事実は一定程度重いのではないか。貴ノ岩関側としては、『本来出るべきでなかったのに、いろんな気持ちや、(師匠の元貴乃花)親方に言えなかったなどの事情で無理して出場していた』と立証しなければならないだろう」と見通しを述べている。
すると大隅氏は、「この時の元貴乃花親方サイドの話によると」として、こんな情報を明かした。
「殴られた後、一応和解したということですが、(貴ノ岩は)口封じされたんです。『親方に言うなよ』と口封じされて、次の日の巡業に出たんです」
だが、元貴乃花親方が貴ノ岩の様子に異変を感じ、頭の傷を見たことで、一気に事態が動くことになった。大隅氏は「口封じ」という言葉を繰り返しながら続けた。
「あそこにいたモンゴルの横綱たちは、口封じしたんです。それを元貴乃花親方は、おそらく告発状に書いているのではないか」