集積回路、消費はなお堅調だが...
一方、これ以外の経済統計では、8月期における多くの指標は依然として安定している。
たとえば、8月の発電量の伸びは前年同期比7.3%増と堅調だ。2008年の金融危機と2015年の景気後退期では、発電量はマイナス成長に陥った。中国の統計にはいろいろ不確実なデータがあるが、発電量で景気の具合を見る人が多い。電気はすべての業界で必要とされるので、その成長指標は実体経済のトレンドとシンクロしているとみられるからだ。
筆者は9月に日立建機、コベルコなど中国でショベルカーなどの建機を生産している企業を取材したが、いずれもフル稼働していた。建機市場では、8月期における販売伸び率は33%だった。
そのほか、鉄道貨物取扱量の伸び率は7.6%だった。これらの数値は固定資産投資と密接に関連した実体指標であり、2008年と2015年のマイナスに比べれば堅調といえる。
ハイエンド製造業と関わる2018年8カ月間の集積回路の生産高は前年同期比13.4%増であり、2015年のひとケタの成長率を上回っただけでなく、2008と2009年の大幅なマイナス成長とくらべれば、ずっと良いものだ。
さらに、非耐久消費財の伸び率は堅調だ。8月期は食品の小売りの伸びは9.3%、アパレルが7%、日用品が15.8%、石油小売りが19.6%で、加重平均は11.5%と、2008年と2015年の3.5%を大きく上回るっている。
サービス消費についても、今年8月期における映画収入は573億元と、前年同期比20%の伸びを示して順調だった。2018年7カ月間に見るモバイル・インターネットの接続総容量も329億GBで、前年同期比202%増えた。