アイドルグループのSKE48が2018年10月5日、名古屋・栄にある劇場でのデビューから丸10年を迎えた。約60人いる現役メンバーのうち、デビュー時のメンバーは松井珠理奈さん(21)のみ。その松井さんが、この日行われた特別記念公演の中盤のソロ曲で「今は弱い私ですが...」などと話しながら涙を流す一幕もあった。
体調不良で療養していた松井さんは9月中旬のコンサートで約3か月ぶりにファンの前でパフォーマンスを見せたが、11月下旬発売のAKB48の新曲では選抜メンバーから外れ、今回の公演でも他のメンバーと比べて出番の数は抑え気味だった。松井さんはファンに「これからもそばにいてください」と訴え、本格復帰に向けて捲土重来を期す。
大村知事の「エース復活ですね」には...
松井さんは公演のほとんどの場面で笑顔だったが、中盤に披露された楽曲「神々の領域」(12年)で涙を見せた。この楽曲は1期生のために作曲され、14年にナゴヤドームで行ったコンサートでは、松井玲奈さん(27=15年卒業)ら1期生で披露した。10年前には23人いた1期生は、このコンサート時には7人。今では松井珠理奈さんを残すのみだ。今回の特別公演では、スクリーンに当時の映像が映し出されたことで感極まったのか、松井さんは間奏のせりふ部分で
「今は弱い私ですが、皆様が沢山支えてくださったおかげで、この10年間走り続けることができました。本当にありがとうございます。これからもそばにいてください」
と、声を震わせながら涙を流した。
10周年を祝うビデオメッセージも流された。愛知県の大村秀章知事が
「松井珠理奈さんもね、体調が回復されたということであります。エース復活ですね」
とエールを送ると、松井さんの表情までは記者席からはうかがえなかったものの、手を横に振って否定するようなしぐさを見せた。松井さんの言う「今は弱い私」が背景にあるとみられる。
「ええ~、ひとりさびしい!」「こんなに(メンバーが壇上に)いるじゃないでですかー!」
実際に「さびしい」「悲しい」とこぼす場面もあった。序盤に「賛成カワイイ!」(13年)を披露した直後、メンバーから
「こんなに多くのメンバーがステージにいることを考えると、胸にくるものが珠理奈さんはあるんじゃないんですか~?」
と聞かれた松井さんは、おどけながら「ええ~、ひとりさびしい!」。「こんなに(メンバーが壇上に)いるじゃないでですかー!」と突っ込まれると、気を取り直したように
「なんかさあ、10周年やったねー!って分かち合える人がだれもいなかった。悲しい。でもさあ、見てくれている人はいるかもしれないね、昔から。ありがとう」
と話し、須田亜香里さん(26)が
「いつ好きになっても、いつからSKEを始めても、今の集大成には変わりないわけだから、その一部になれていることは私も楽しみたいと思うし、ファンの方も『途中から好きになったしなー、(初期からファンをしている)古参の人には勝てないな~』みたいな(人がいるかもしれない)。もしかしたら勝っちゃうかもしれないけど、今のSKEを応援してくださるんだったらそれでいいと思う!」
とフォロー。客席からは大きな拍手が起きた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)