スルガ銀行だけじゃない! 地銀株、だから買えない理由とは

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「銀行」とは名ばかり、実態はファンドと変わらない

   もちろん、不正融資は許されることではない。ただ、スルガ銀行がそうでもしなければ収益を上げられなかった背景には、地銀の収益体質そのものに問題があるからだ。

   金融庁にしても、一時は前長官の森信親氏が一貫して、「個々の地銀が創意工夫して、新たなビジネスモデルをつくり上げることが重要」と力説。その新たなビジネスモデルの代表例として、事あるごとに「スルガ銀行」を取り上げ、褒め称えていた。

   地銀にとって、「新たなビジネスモデルの構築」は収益悪化を食い止めるために是が非でも成し遂げなければならない「命題」として、金融庁に突き付けられた刃のようなもの。それほど、「崖っぷち」にまで追い込まれていたワケだ。

   実際に、2017年度の地銀決算をみると、全国102行(埼玉りそな銀行を含む)のうち、過半数の54行で貸し出しなどの「本業」の利益が赤字だった。さらに、このうちの12行が2期連続、40行が3期以上連続して赤字に陥っている(金融庁の「地域銀行モニタリング結果のとりまとめ」7月13日発表)。地銀のこうした経営状況に、金融庁は問題意識を強めている。

   また、日本銀行も「金融システムレポート別冊シリーズ 2017年度の銀行・信用金庫決算」で、地域銀行(地銀64行と第二地銀41行の合算)は、貸出利ザヤの縮?に伴い、貸し出しによる利益が減少している??で、株式利回りの上昇や、利ザヤの厚い投資信託の運用のウエイトの高まりから有価証券による利益が大きく拡大した、と指摘。

   現状で地銀が最も利益を上げている分野は株式と投資信託による運用で、つまり「銀行」の看板は掲げているものの、どこぞの投資ファンドと何ら変わらなというワケ。さらには、今後は保有している債券の価格下落(金利は上昇)で、含み損が発生する恐れもある。

   これでは、なかなか地銀株を「買おう!」という気になりそうもない。

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