新潟県燕市にある「越後最古の寺」国上寺は2018年10月3日、「炎上供養専用サイト」を2日に開設したと発表、その奇抜な存在は、ネット上で瞬く間に話題となった。
サイトは黄色を基調にし、中央にある寺院のようなものを上杉謙信や武蔵坊弁慶、酒呑童子などが囲んでいる。お経が流れ続け、何とも不思議な雰囲気だ。J-CASTニュースは4日、国上寺の住職に取材を行った。
「クリックするだけで、少しでも気持ちが晴れれば」
サイトを立ち上げたのは、国上寺の住職を20年以上にわたって務める、住職の山田光哲さん(51)だ。サイトの開設は、寺の「若者離れ対策」だという。最近は「御朱印めぐり」ブームで若い女性も来るようになったというが、それでもまだ「お寺はおじいちゃんおばあちゃんが来るイメージがある」と話した。
「若者離れ対策」が、なぜ「炎上供養サイト」なのか。山田さん自身は、ネットを頻繁に使うというわけではなく、炎上投稿を見ることはあまりないという。ただ、テレビなどで「炎上」関連の話題を目にすることがあり、サイトの開設を思いついた。
「知らない人に『あーでもないこーでもない』と言われると落ち込むと思います。(サイトの『供養』ボタンを)クリックするだけで、少しでも気持ちが晴れればなあと思います」
「仏教に基づく大義に『救済』というものがあります。(炎上して落ち込んでいる人に)誰かが手を差し伸べなければと思っています」
山田さんは、国上寺では「水子供養」や「ペットの葬祭」、他の寺では「下駄供養」など、世の中にはさまざまな「供養」があると話す。「若者離れ対策」、「炎上した人の救済」という理由はもちろんだが、「『炎上供養』はまだ誰もしたことないですよね?」と、これまでにない「供養」をやりたいという思いもあったようだ。