「略奪愛」「沖縄県知事選の戦犯」などと報じられた自民党の今井絵理子・参議院議員に、テレビのワイドショーでも容赦のない批判が寄せられた。
「とくダネ!」(フジテレビ系)では、キャスターの小倉智昭さんが、「略奪愛」の相手である橋本健・元神戸市議ともども「こんな2人を取り上げる意味は何もない」と言えば、社会学者の古市憲寿さんは「そもそも今井さんは存在感がないから『戦犯』にすらならない」とこき下ろした。
「なぜ(番組で)やるんですか?」
今井氏と橋本氏の関係が1年ぶりに世間を騒がせている。週刊新潮2018年10月11日号(首都圏など3日発売)の報道によれば、沖縄県知事選挙戦(9月30日投開票)終盤の連休中、同県出身で知名度も高い今井氏は、自民推薦の佐喜眞淳陣営の応援に入らず、東京で「橋本氏と『バースデー』を楽しんでいた」。
同誌が17年7月に、当時妻帯者だった橋本氏との不倫関係を報じた後も2人は交際していたといい、同年12月に橋本氏は離婚。今号では、今井氏は元妻にいまだ謝罪していないとしたほか、「略奪愛」を超えて「『略奪婚』すら起こりうる気配となっているというのである」と報じている。
今井氏は今回、10月3日のブログで猛反論。「バースデーパーティなんかしていませんし、計画すらしていません」としたほか、知事選では何度も現地入りしたうえで「沖縄で尋ねる先がなくなったので、東京に戻り、県人会を訪ねるなどして応援してきました」と主張した。
「略奪」についても「橋本さんからは、夫婦関係が破たんしており離婚調停中であると聞いてましたし、別居に至ったのも夫婦間のある出来事が原因であり、私とは全く関係のないことでした」と否定。元妻への謝罪は、代理人弁護士を通じて謝罪の手紙を渡すことが一度決まったものの、先方から取りやめの連絡があったため叶わなかったとしている。
週刊新潮と今井氏の言い分には食い違いがあるが、4日放送の「とくダネ!」出演者は次々と今井氏を批判した。
キャスターの小倉智昭さんは開口一番、
「今井さんがブログに書いてあることが全て事実となれば、もう橋本さんは離婚しているし、一線を越えたところで、こんな2人を取り上げる意味は何もないんじゃないかなと思うんですが、なぜ(番組で)やるんですか?」
と、今井氏・橋本氏を「こんな2人」呼ばわり。
「公人として脇が甘すぎる」
さらに橋本氏が政務活動費の不正受給で議員辞職し、詐欺罪で懲役刑が求刑されている身であることから、小倉さんは、
「橋本さんは被告人ですよね。政務活動費を流用し、市議として最低なことをやった。そういう人と、なぜ国会議員の今井さんがこれから結婚しようとしているのか、僕には分からない」
と今井氏を責めた。
産婦人科医の宋美玄(そんみひょん)さんは
「今井絵理子議員は『略奪じゃない』とおっしゃいますが、公人として脇が甘すぎる」
と断罪。「『略奪じゃない』と言ってるのに、じゃあなぜ(元妻に)謝罪を申し込むの?」と首を傾げた。
社会学者の古市憲寿は、知事選との絡みでいっそう冷ややかな目を向けた。「見方によっては『愛を貫き、世間の批判をかいくぐった素敵なカップル』というストーリーにもできるはずなのに、一切そうは見えない。別に今井さんが誰と付き合ってるとかどうでもいい」とし、
「少子化問題や沖縄の基地など、やってほしいことがたくさんあるのに、全然議員として存在感を示してない。だから沖縄知事選の戦犯ではないと思うんですね。そもそも今井さんは存在感がないから戦犯にすらならない」
と、淡々と続けた。橋本氏は歯科医師として神戸で人気だと紹介されると、「患者として行くと『SPEED』の話が聞けるんですかね」と皮肉った。
厳しい視線は同番組の面々ばかりではない。今井氏は上記ブログで橋本氏との交際宣言もしているが、4日の「ビビット」(TBS系)でMCの女優・真矢ミキさんは
「『一線を越えた』というご報告じゃないですか?」
と表情を変えず静かに言った。すぐに、やや慌てたように「私、えらいこと言ってますか。失礼があったらごめんさない」と続けていた。