2018年10月2日に発足した第4次安倍改造内閣は、閣僚19人中12人が初入閣を果たす一方で、女性閣僚が1人に減った。「女性活躍」を掲げる安倍政権の方針と逆行するともとれる人事に、退任した野田聖子総務相や、会見に出席した記者からは疑問の声もあがった。
唯一の女性閣僚として選ばれたのが片山さつき参院議員だ。安倍晋三首相は同日夕方の会見で、女性閣僚が減った理由には明確に答えず、片山氏を「2人分も3人分もある持ち前の存在感で...」などと紹介。片山氏への期待は相当重いものになりそうだ。
「超人的なガッツの持ち主でもある」
今回の内閣改造で、女性閣僚は野田総務相と上川陽子法相が退任し、片山氏が地方創生担当相として初入閣を果たしたことで、数としては1減になった。過去には5人を数えた女性閣僚が、とうとう1人に。安倍内閣で女性閣僚が1人になるのは初めてだ。
野田聖子総務相は辞表取りまとめ閣議後の会見で、女性閣僚の数について
「減り続けているので大変心配している」
とクギを刺した。安倍氏としては、こういった懸念も念頭に置いているようだ。
同日夕方の記者会見では、自らの内閣を「あすの時代を切り開くための『全員野球内閣』」と命名。片山氏については
「旧大蔵省出身で、政調会長代理も務めた政策通であるだけでなくフットワークも軽く、 超人的なガッツの持ち主でもある」
といった経歴を紹介したのに続いて、女性の人数が減った分を「持ち前の存在感」でカバーするようにハッパをかけた。
「今回、女性の入閣は1人だけだが、2人分も3人分もある持ち前の存在感で、女性活躍の旗を高く掲げてもらいたい」
ロイター記者「今の時代を考えると、ちょっと少ないとは思わないのか」
ロイター通信の女性記者からは、
「今の時代を考えると、ちょっと少ないとは思わないのか」
などと女性が減った理由を尋ねる質問も出たが、安倍氏は
「確かに各国に比べて内閣における女性の比率が少ないということは認めざるを得ない。まさに日本は女性活躍の社会がスタートしたばかりで、これからどんどん入閣する人材が育ってくると思う」
などと述べるにとどめた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)