貴乃花退職で「協会は試練をクリアした」 相撲記者発言に貴闘力「見てる方は嫌」

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   東京相撲記者クラブ会友の記者・大見信昭氏が2018年10月2日放送の「スッキリ」(日本テレビ系)で、貴乃花親方の退職決定を受けて「相撲協会は大きな試練をクリアした」と発言する場面があった。

   両者の見解の相違が払拭されないままの引退劇だったにもかかわらず、一件落着とでも言うような言葉だったため、インターネット上で疑問の声があがった。

  • 9月25日に会見した貴乃花親方
    9月25日に会見した貴乃花親方
  • 9月25日に会見した貴乃花親方

「クリアでいいのかな...」

   1日の臨時理事会で正式に決定した貴乃花親方の退職。これで貴乃花部屋は消滅し、「平成の大横綱」は角界を去ることとなった。

   貴乃花親方と協会側は最後まで平行線をたどった。「5つある一門いずれかに所属しない親方は部屋を持てなくなる旨の決定が理事会でなされた」「告発状の内容を事実無根と認めなければ、一門の所属が認められないと要請を受け続けた」と主張した貴乃花親方に対し、芝田山広報部長はいずれについても「そのような事実は一切ない」と否定。こうした見解の相違が浮き彫りになったものの、八角理事長ら協会幹部は貴乃花親方と直接話をする機会がないままだった。

   このような結末を迎えた中で、相撲取材歴50年の大見氏がゲスト出演した「スッキリ」で述べたのが、

「こういう形になりましたけど、相撲協会はこれで一つの大きな試練をクリアしたわけですから」

という言葉だ。

   MCの加藤浩次さんは思わず「クリアでいいのかな...」と首を傾げた。同じくゲストの、貴乃花親方の兄弟子で元関脇・貴闘力氏も「こういうこと言われると、見てる方は嫌ですよね...。『クリアした』とか」と直言。すると大見氏は、

「いやいや、『経験を踏んだ』と言い直しましょう、じゃあ。これを次に生かしてほしいですね」

と言い換えた。それでも加藤さんは「結局ゴールにたどり着いていない感じがして、僕はモヤモヤしたものが残っているんですけどね」と腑に落ちていない様子だった。

「記者クラブなくしますか」に苦笑い

   協会側と貴乃花親方の言い分が食い違ったままでありながら、協会側の対応を前向きに捉えたような大見氏の発言には、ツイッターやネット掲示板でも、

「試練をクリア 本音が出やがった」
「『クリアした』 清々しい気持ちなんだろう」
「大見さん思わず本音『これでひとつの問題をクリアした』 厄介者をうまく追っ払ったってことだよね これって八角理事長はじめ執行部の意向そのまま」

といった反発が広がった。

   また大見氏は、大相撲界のこれからの仕組みづくりの話題になると、「番付社会ですから、下の声がなかなか上に届かない。親方も、です。下の若い声が上に反映されるような、風通しのいいシステムを考えないといけない」と提言。しかし、加藤さんが「まず記者クラブをなくしますか?」と聞くと、

「それはまずいですよ。私の行くところがなくなるじゃないですか。やっぱりね、記者クラブは記者クラブで残してほしい」

と苦笑いして拒否した。

   すかさず、番組コメンテーターの箕輪厚介氏(幻冬舎編集者)は「今のご発言に象徴されると思いますが」と切り出し、「みんな居心地がいいから変えたくない。記者クラブも相撲協会も。強い人が強い権力をもっていたら変わるのが嫌ですから、仕組みは第三者が中立的に作らないとダメですよね」と反論するように見解を述べていた。

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