日本相撲協会が2018年10月1日に会見を開き、この日の臨時理事会で決定した貴乃花親方の退職について説明した。
会見で八角理事長は、貴乃花親方への対応に関して「~するつもりだった」と考えていたことを連呼。これにインターネット上では、「つもりってことは心の中で思っていただけ」などと疑問の声が漏れた。
「決まるまで待つつもりでいました」
退職の一因となったのは5つある一門いずれかへの所属義務。貴乃花親方は9月25日の会見で、「所属一門を決めなければ部屋を持つことができない旨の決定が7月の理事会でなされた」としていたが、八角理事長は「理事会で決めることだからと(無所属の親方を)締め出すようなことは当然できません」として否定。また、
「私たち協会本部は、貴乃花親方と直接面会して話をしたいと思いました。一門所属の件も直接会って説明したいと思いました」
「(期限の)9月27日の理事会までに所属一門が決まらなくても、決まるまで待つつもりでいましたし、決まらなければ、貴乃花親方を高砂一門(編注:八角理事長が所属)で引き受けることを一門のみんなで話すつもりでした。すべての一門が引き受けることを協議しようと考えていたと思います」
と、自身にも考えがあったことを明かした。
同席した尾車事業部長も「9月27日までに決まらなくても師匠を辞めなくてはいけないなんてことは、まったくありません。理事長が言ったように待つつもりでした。私の一門でも要請があれば受け入れていました」と八角理事長の言葉を繰り返している。
八角理事長は、高砂一門で受け入れる用意があることを、協会の顧問弁護士を通じて貴乃花親方の代理人弁護士に伝えていたという。だがその後、親方本人からは結局連絡がないまま今日を迎えた。八角理事長は「色々ありましたが、いつか協会を一緒に引っ張っていくと思っていただけに残念でなりません」と心境を明かした。
「相手に伝わっていなければ意味がない」
しかし、退職決定後に「つもりだった」「したいと思った」と繰り返した八角理事長。「後出し」で腹案を明かした形となり、協会トップでありながら自己弁護のような態度をとったことに、ツイッター上では、
「つもりってことは心の中で思っていただけ。何とでも言えるよね」
「つもりだった! はじめから言えばいいのに便利な言葉だね」
「八角親方の会見。『つもり』『つもり』ばかりの発言! そう思ってたって事でしょう? 言い訳ばかりの内容でした」
「八角理事長の『つもりでした』は小学生の言い訳にしか聞こえない」
「『つもりだった』内容はこの話が各親方に伝わったつもりだった時、貴乃花親方に伝わっていたのでしょうか。きちんと相手に伝わっていなければ意味がないです」
と疑問の声が相次いでいた。
今回の問題では、貴乃花親方と協会側との認識の食い違いがいくつも浮き彫りになった。八角理事長は引退届の提出を発表した貴乃花親方の会見を見た時、「なんで辞めるんだろうと最初に思いました」という。