大相撲の貴乃花親方が引退を決断したことに対し、元日本相撲協会評議員会議長で現在評議員の池坊保子氏が、「バイキング」(フジテレビ系)で「爽やかに第二の人生を歩んでください」などと「エール」を送った。
しかし、池坊氏といえば元日馬富士暴行事件以来、貴乃花親方に対して厳しい態度を取ってきた人物。引退にあたっての言葉にはインターネット上で「優しい口調で喋ってるけど冷たい言い方」などと、冷ややかな声もあがった。
「圧力をかけるような方っていないもん」
池坊氏が電話取材に応じた模様は2018年10月1日放送の「バイキング」で放送。貴乃花親方の引退表明に「びっくりしました。私たちは若貴の華麗で力強くてかわいくて清々しい横綱時代が心に残っていますし、貴乃花親方は相撲協会に残って相撲の発展に尽くしてこられたので」と驚いたという。
貴乃花親方は、自身が出した協会に対する「告発状」の内容を事実無根と認めるよう、役員から圧力を受けた旨を明かしていたが、池坊氏は、
「圧力なんかないと思いますよ。私はすべて把握しているわけじゃないですけど、圧力をかけるような方っていないもん。いつ、誰から、どんな状況で(圧力を)かけられたのか、私はむしろ知りたいくらい」
と協会側からの圧力を完全に否定。評議員として「公平に見てそういうことがあったとは思いませんでした」とした。
貴乃花親方は、引退にあたって届けの不備が協会から指摘され、正式に受理されていない。こうした状況には「大切なことですから、弁護士さんが書類の不備はないようになさっていただきたいと思います。ルールに則らないといけないんじゃないかしら。しきたりに最後は則られた方が、貴乃花関らしいわ」と、落ち度を指摘した。
大相撲界を離れる意思が固い貴乃花親方。池坊氏は、
「力強く頑張っていた横綱のイメージがみんなの心の中にあると思います。堂々と胸を張って、爽やかに第二の人生を歩んでください」
と引き留める様子はなく送り出す言葉を述べていた。
「著しく礼を欠いていた」と強く非難
池坊氏といえば、17年11月に発覚した元日馬富士による貴ノ岩への暴行事件をめぐり、貴乃花親方の対応に批判を続けてきた。顕著だったのは1月。貴乃花親方は、当時巡業部長だったにもかかわらず巡業中の暴行事件を協会に報告しなかったことや、その後の危機管理委員会の調査にも非協力的だったことを理由に、理事から降格された。
評議員会が正式承認した1月、当時議長の池坊氏は会見で「公益法人の役員としてはおよそ考えられない行為」「明らかに礼に反している」と貴乃花親方を強く非難。さらに「特に上司かつ先輩である八角理事長が、何度電話してもまったく応答がなく、折り返しの電話もないというのは、著しく礼を欠いていたのではないか」と、貴乃花親方との対立も指摘されてきた八角理事長の名前を出しながら、公然と批判していた。
番組での池坊氏の柔らかな口調には、ツイッターやネット掲示板上で「普通に良い人じゃん池坊さん」といった声もあがったが、こうした因縁めいた関係もあり、
「池坊さん。。。優しい口調で喋ってるけど冷たい言い方やねぇ」
「あんたに圧力があったかなかったかなんてわかるわけないでしょう」
「相撲協会側で圧力かける側の人間だからわからないだけ」
と、貴乃花親方への言葉に冷ややかな反応も少なくなかった。