JAL「ドル箱路線」確保に自信 27年ぶりシアトル線の「勝算」とは

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   日本航空(JAL)が北米でも拡大路線を加速させている。2018年9月26日、成田-シアトル路線を開設することを発表した。JALによると、北米ではロサンゼルス、ニューヨーク、サンフランシスコ、ラスベガスに次いで5番目に航空需要が大きい都市で、「ドル箱」路線になる可能性もある。

   この路線は、すでにデルタ航空と全日空(ANA)が乗り入れているが、JALは乗り継ぎの利便性が「格段に優れている」として、シェアの切り崩しに自信を見せている。

  • JALがシアトルに乗り入れるのは27年ぶりだ
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観光・ビジネスに加え「乗り継ぎ」需要狙う

   JALは同路線に1983年に乗り入れたが、92年に撤退。27年ぶりの再開で、19年3月31日からボーイング787-8型機で1日1往復する。JALが米西海岸に乗り入れるのは、サンフランシスコ、ロサンゼルス、サンディエゴに続いて4都市目。シアトルにはマイクロソフトやアマゾンなど多くの国際的企業が拠点を置いており、観光需要以外にもビジネス需要を見込んでいる。

   JALがカギだとみているのが、乗り継ぎ需要だ。ひとつが、東南アジアから成田を経由して北米に乗り継ぐコース。乗り継ぎがしやすいように、シアトル便の成田発着時刻は夕方に設定した。もうひとつが、シアトルから米国国内に乗り継ぐコースだ。シアトルは米西海岸では日本から最も短時間で行ける都市で、乗り継ぎ地点としての使い勝手の良さを生かす。

   JALは16年から、シアトルに本拠地を置くアラスカ航空と、互いの便の座席の一部を買い取る共同運航(コードシェア)やマイレージプログラムで提携している。今回のシアトル便開設で、この提携をさらに強化。これまではサンフランシスコ-シアトルなどでコードシェアしていたが、38地点多い計56地点に乗り継げるようにする。そのうち20地点はJALとしては初めて乗り入れる。

社長、利便性はANAより「格段に優れている」と自信

   赤坂祐二社長は

「シアトルからの乗り継ぎの利便性が、デルタさん、全日空さんとは格段に優れている。こういったところをアピールポイントにして戦っていきたい」

と自信を見せた。

   JALは18年2月末、コードシェア含めて343ある乗り入れ都市の数を、中期経営計画の期間(17~20年度)中に500にまで増やすことを表明している。18年9月6日にはガルーダ・インドネシア航空と提携し、ガルーダが運航する羽田-ジャカルタ、成田-デンパサール線などでコードシェアすることを発表したばかりだ。その前にはロシアのアエロフロート航空やメキシコのアエロメヒコ航空とも同様の提携を発表しており、今後も路線拡大は続きそうだ。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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