立憲民主党は2018年9月28日、19年夏に行われる参院選の大阪選挙区(改選数4)に、弁護士の亀石倫子(みちこ)氏(44)を擁立すると発表した。亀石氏は、令状がないGPSを利用した捜査は違法だとする判断を最高裁が示した事件を担当したことで知られ、メディアへの出演も多い。
枝野幸男代表は「大事な目玉候補」と位置付けるが、過去2回の参院選では、旧民主党は議席を獲得できていない。ここに割って入るとなれば現職の共産党議員が割を食う可能性もあり、野党共闘のあり方が問われそうだ。
維新が強く、旧民主が弱い地盤
大阪選挙区は、日本維新の会が強く、旧民主党が弱い地盤だ。16年は自民党と公明党が1議席ずつ、おおさか維新の会(当時)が2議席を獲得。当選ラインは約67万票だったが、次点(5番手)の共産党候補は45万票。6番手の民進党(当時)候補の得票は35万票だった。
13年は維新、自民、公明、共産が議席を獲得。民主党(当時)は5番手だった。4番手で当選した共産・辰巳孝太郎氏の得票は約47万票で、5番手の民主・梅村聡氏の得票は約34万票。やはり当選ラインとは開きがある。
19年の参院選では、自民、公明、共産が議席死守を目指すのはもちろん、維新は2人を擁立する方針。ここに「旧民主」系が、亀石氏の知名度を借りて割って入ることができるかが注目される。
野党で3議席取れるように「それぞれが頑張る」
さらに、国民民主党の玉木雄一郎代表は9月1日の記者会見で、東京や大阪で知名度が高い候補者を擁立する方針を明らかにしている。ただでさえ少ない旧民主系への票が分散する可能性もある。
枝野氏は大阪府内で開いた記者会見で、亀石氏の実績や見識を踏まえた上で
「できるだけ多くの府民の皆さんに、直接見ていただく、話を聞いていただく、そういう場を来年の投票日までに沢山作ることができれば、私は十分、当選ラインを超える府民の皆さんから1票を投じていただけると確信している」
と自信を見せた。他の野党との候補者調整については、
「安倍・自民党政権に『おかしい』という勢力で3議席取れるように、それぞれが頑張るということだと思っているので、まず、立憲民主党は野党第1党として独力で、自力で1議席をしっかりと確保する、という責任を果たしていきたい」
などとして否定的だ。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)