貴乃花に「圧力」かけたのは「側近」阿武松? 元同門も理事就任で「協会側」に

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   日本相撲協会に引退届を提出した貴乃花親方(元横綱)に「圧力」をかけた人物として、協会理事である阿武松(おうのまつ)親方(元関脇・益荒男)の名前が浮上している。

   阿武松親方はかつて貴乃花一門に所属しており、元同門の関係。側近のように貴乃花親方をサポートしてきたが、2018年2月の協会理事選挙に当選したことで、「立ち位置が変わった」と見る識者もいる。

  • 貴乃花親方(2018年9月25日)
    貴乃花親方(2018年9月25日)
  • 貴乃花親方(2018年9月25日)

「秋場所中盤から再三、貴乃花親方に接触」

   貴乃花親方は9月25日の会見で、協会に対する告発状の内容が事実無根であると認めなければ、協会が27日を期限として義務付ける「一門への所属」が認められず、親方廃業になるという要請を受けてきたと告白。要請された時期は9月場所後半としたが、このような圧力をかけた人物は「役員のある方」としか明かさなかった。

   1人の名前が浮上したのは、同日の芝田山広報部長の会見。「協会としてはそのような(圧力をかけた)事実は一切ない」と断言したうえで、「阿武松親方は秋場所中盤から再三、貴乃花親方に接触し、『弟子もいるから一門に入って一緒にやっていこう』と言っていた」と明かした。そのため、貴乃花親方がいう「圧力」をかけた役員は阿武松親方か、という憶測が生まれることになった。

   阿武松親方は元貴乃花一門だ。2月の理事選に立候補すると、総帥の貴乃花親方は一門の親方衆に「皆さんは阿武松親方に入れてください。私は自分の1票だけでいい」と伝え、当選を確実にしたとされることからも、絶大の信頼を寄せていたことが伺える。貴乃花親方は落選するも、阿武松親方は一門で唯一の理事に就任し、協会への影響力を維持。貴乃花親方が6月に一門を離脱し看板をおろした後も「阿武松グループ」として引き継ぎ、結束させてきた。

   貴乃花親方の「側近」のような立場で長く支えてきた阿武松親方。その言葉が「圧力」となる可能性などあるのか。

   東京相撲記者クラブ会友の大見信昭氏は28日の「スッキリ」(日本テレビ系)で、阿武松親方が理事である点から見解を述べている。「貴乃花一門の時は貴乃花親方を非常に支えてきましたが、今は理事。立ち位置が変わってきたんです」とし、司会の加藤浩次さんに「協会側になっている?」と聞かれると、「ええ」と答えた。

「協会サイドは『圧力をかけていない』『告発状の内容が事実無根と認めろという話はしていない』と言いますが、何か感じ取っていた部分が阿武松親方になかったでしょうかね。それが、貴乃花親方を説得し、熱をこめている間に、貴乃花親方はそう(圧力と)受け取るような発言につながったのではないかと、私は推測しています」

「言いたくないけど言いに行かないといけない立場」

   貴乃花親方の兄弟子で元関脇の貴闘力氏は同番組で、阿武松親方は「貴乃花親方の側近でずっとサポートしてきた人」とするも、その言葉が圧力と受け取られた可能性について「ありますね。そこは(詳しく)言えないですが、阿武松親方と貴乃花親方はボタンの掛け違いがあると思う」と推測。また、

「鈴をつける人と、鈴を持って本人に言い渡す人と、両方います。阿武松親方は、言いたくないけど言いに行かないといけない立場です」

と、協会執行部の意向に沿って行動せざるを得ないというような見解を述べた。

   加藤さんが「貴乃花親方は、阿武松親方の裏に協会全体を見ていたのか?」と聞くと、貴闘力氏は「それもある。話していったら結局自分は解雇されると思い、弟子(の行き先)は確保して、自分は身を引こうと急きょ思ったのではないか」と、貴乃花親方の心境を推測した。

   当の阿武松親方は27日の理事会後、「魂を込めて説得した。(圧力については)本人の受け取りよう」と話したという。

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