規定打席に到達はたった4人だけ
一方で、6回終了時にリードされ逆転した試合はわずか2試合。裏の攻撃で有利なはずのホームゲームで、打線がその優位性を生かしきれないのが現実だ。
終盤に逆転出来ないのは、甲子園に限ったことではないが、その要因のひとつとして、試合を通じてメンバーがしっかりと固定していないことが挙げられる。現在の阪神には不動のレギュラーとされる選手は少なく、投手の球に目が慣れてくる終盤に打者の入れ替えが多くみられる。ここまで規定打席に到達しているのは、糸井嘉男、福留孝介、糸原健斗、梅野隆太郎の4人だけで、これが逆転出来ない阪神の象徴でもある。
また、阪神の宿命ともいえる高校野球の夏の甲子園大会の影響も大きい。今年は8月5日から8月21日まで大会が行われたが、その間、阪神は通称「死のロード」での戦いを強いられる。今季は20試合のロードが続いた。他球団にはない移動続きのロードは、プロ選手といえども体力の消耗は激しい。今季、夏の甲子園後の成績は3勝9敗1分けと大きく負け越している。
27日の敗戦で、今季、甲子園での借金は「16」まで膨らんだ。1978年に記録した球団ワーストの「17」まであと1つに迫った。甲子園でのゲームを5試合残しており、ワースト更新の可能性も。
すでに優勝の可能性は消滅しているものの、3位DeNAとは3.5ゲーム差で、CS進出の可能性を残している。3位でCSに進出すれば相手の本拠地での戦いとなるが、今の阪神にとってはかえって好都合かもしれない。
というのも、ロードの中でも阪神が驚異的な強さを見せるのが、横浜スタジアムだ。今季、横浜スタジアムでの成績は、13戦して10勝3敗と、地元DeNAを圧倒している。阪神ファンからは「DeNAよりもハマスタでの戦い方を知っている球団」と揶揄され、「横浜スタジアムをホームに」との声が上がるほどの勝率を誇っているからだ。