自民党の杉田水脈衆院議員(51)が出演予定だったトークライブが、「諸般の事情」により延期となった。主催の産経新聞社が、イベント告知用の特設ページ上で2018年9月27日までに発表した。
杉田氏をめぐっては、自身の「生産性」寄稿に端を発した問題で、雑誌「新潮45」の休刊が発表されたばかり。今回のイベント延期は、こうした動きと関連があるのだろうか。J-CASTニュースが、産経広報部を取材すると...。
杉田氏は「多彩な言論活動で注目を集める」
延期されたイベントは、東京都内で10月12日夜に予定されていた「上田博和氏×杉田水脈氏トークライブ」。100人限定で、参加費は2500円(前売2000円)。問い合わせ先は、月刊誌「正論」などを手掛ける正論調査室だった。
9月21日に配信された告知リリースでは、講演のテーマについて、
「財政破綻した北海道夕張市の支援に取り組む上田氏と多彩な言論活動で注目を集める自民党衆議院議員の杉田氏が、未来の地方自治の可能性と問題点について語ります」
と説明していた。
こうしたイベントが、開催の告知リリースから1週間と経たないうちに、延期になることが発表された。主催側が27日までに告知ページ上で、
「本イベントは諸般の事情により延期となりました。すでにお申込みがお済みの方には個別にご連絡いたします。 詳細が決まり次第、改めてこちらでお知らせいたします。関係者各位の皆様には、ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます」
と伝えたのだ。あわせて、配信した告知リリースも削除している。
「生産性」寄稿問題との関連は?
杉田氏は、7月18日発売の雑誌「新潮45」(8月号)に、「『LGBT』支援の度が過ぎる」と題した論を寄稿。「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです」といった主張が批判を呼び、党からも「配慮に欠いた表現」として指導を受ける騒ぎとなっていた。
その後、「新潮45」は9月18日発売の10月号で、「そんなにおかしいか『杉田水脈』論文」と題し、約40ページにわたる反論特集を組んだ。これが再び激しい批判を招き、21日には佐藤隆信社長の名前で、
「あまりに常識を逸脱した偏見と認識不足に満ちた表現が見受けられた」
とする声明を発表。それでも編集姿勢を批判する声は止まず、25日には同誌の休刊が発表された。
騒動の発端となった杉田氏に対しても、今回の反論特集が問題視される中で、改めて厳しい目が向けられている。朝日新聞などの報道によれば、国民民主党の玉木雄一郎代表も25日、杉田氏の寄稿について、
「多くのLGBT関係者の皆さんを傷つけたことは事実。政治家の発言としては問題がある」
とコメントしたという。
こうした状況だけに、今回のトークライブ延期を受けて、ツイッターやネット掲示板には、「生産性寄稿」をめぐる問題が再び過熱したこととの関連を疑うユーザーも出ている。
産経の回答は
そこでJ-CASTニュースは27日、主催の産経新聞社の広報部に対し、(1)「諸般の事情」とは具体的に何なのか(2)「生産性寄稿」問題とイベント延期に関連はあるか、イエスノーだけでも構わないので答えて欲しい(3)延期後の開催概要は決まっているか――などをファクスで質問したが、回答は、
「諸般の事情により延期となりました」
だけだった。