安倍晋三首相が2018年9月26日(日本時間)、米ニューヨークで開かれている国連総会の一般討論演説で、「背後」を「せいご」と読み違えたとみられる一幕があった。
安倍首相が公の場で誤読するのは少なくともこれで2度目。識者は「ルビを振るべきだった」と皮肉を込める。
背後には、1980年代以降...
「せいご」発言は、自由貿易の重要性を訴える場面で飛び出した。首相官邸や外務省のウェブサイトに掲載された書き起こし文を引用すると、以下の通り。
「自由貿易体制は、アジア諸国を順次離陸させ、各国に中産階級を育てました。背後には、1980年代以降、日本からこれら諸国に向かった大規模な直接投資がありました。皆、国際経済システムが、ルールに基づき、自由でオープンなものだったおかげです」
アジア諸国の経済発展における日本の貢献を述べたこの部分。だが、首相官邸と国連のサイトにアップロードされた演説動画を確認すると、手元の原稿を見ながら「背後」(はいご)の箇所を「背後」(せいご)と読みあげているように聞こえる。
「せいごには、1980年代以降...」
念のため、『広辞苑第7版』で「せいご」のページを繰ると、「鮬」「正誤」「生後」「成語」「省悟」「勢悟」のみで、「背後」は載っていなかった。