何故、今のような店に
そもそも何故、VHSテープがメインの店舗となったのか。店の成り立ちについて聞いた。
元々は現在の場所ではなく、JR東海と近鉄の伊勢市駅の近くで38年ほど前に貸レコード店として開業した。それから10年後、現在の伊勢自動車道近くに移転したことを機に、新たに登場した媒体であるCDとVHSテープの取り扱いを始めた。
その後、DVDが新たな媒体として登場したが、
「大手レンタルチェーンに太刀打ちができない」
との考えから、アダルト作品以外のDVDソフトを扱うことはしなかったという。以来、ブルーレイディスクも扱わず、現在までVHS主体の営業を続けている。
VHSは、松下電器産業(現パナソニック)の子会社だった日本ビクター(現JVCケンウッド)が1976年に世界で初めて開発。ソニーは75年にベータマックスを発売しており、激しい規格戦争を繰り広げたことは有名だ。
88年にソニーも生産に加わり、世界的なヒットを記録したが、90年代後半にDVDが登場。さらに画質の良いブルーレイディスクがシェアを伸ばした。このことから、市場は急速に縮小。2016年7月末にはVHS方式の家庭用ビデオデッキの最後の生産メーカーだった船井電機が生産を終了した。そのため18年現在はVHSテープだけが引き続き生産されている。
時代が変わってもVHSを扱い続けたことが、自然とほかの店にない「強み」となっていた。