今や転職は珍しくない時代だ。年齢を問わず、人材の流動は激しい。「給与を上げたい」「キャリアアップしたい」という野心的なものから、「やりたい仕事じゃなかった」「上司とソリが合わない」といった現状の不満によるものまで、理由はさまざまあるだろう。
では、どうすれば転職は成功するのか、そしてなぜ失敗することがあるのか――。J-CASTニュースは今回、急成長を遂げる転職エージェント「Spring転職エージェント」のトップ・板倉啓一郎氏に、「転職の成功率を高める」ために必要なことを聞いた。
アデコ執行役員・人財紹介事業本部長で「Spring転職エージェント」最高責任者の板倉啓一郎氏
Spring 転職エージェントの特長は「職種別専門性」と「360度式コンサルティング」
Spring転職エージェントは、世界最大の人材サービス会社アデコ(本社・スイス)の日本法人が運営する転職サービス。板倉氏がトップに就任した2014年からの4年で、売上高は約4倍増というめざましい発展を遂げている。今年1月に発表された最新のオリコン「顧客満足度ランキング」転職エージェント部門では、堂々の1位に輝いた。
急成長の秘密は独自のコンサルティング体制にある。板倉氏は、2つの特長を語る。
「Spring転職エージェントのサービスの特長は、まず部門を業種別ではなく、『職種別専門性』で分けたことです。日本では終身雇用が定着した結果、『就職』とは言うものの、実際にはどの企業で働くかということが何よりも重視される『就社』であるという状態が長らく続いてきました。しかし、いま、どんな仕事をするかという本来の意味での『就職』の考え方が、日本でも主流になろうとしています。Spring転職エージェントが『職種別専門性』を導入したのは、『就職』ならば今後は職種を軸にキャリアアップしていくのが主流になるからです。
職種を軸としたキャリアアップに対応すべく、Spring転職エージェントでは営業、クリエイティブ、経理・財務など職種ごとの部門に分けて担当することで、コンサルタントの専門性を高めています。カバーする範囲が広すぎると、情報の量だけが増えてしまい、質が手薄になりがちです。我々はそうではなく、特定の職種に深く切り込み、他で得られない情報を提供しているのが特長です。
もう1つは、『360度式コンサルティング』と呼んでいる人材紹介の手法です。多くの人材紹介会社では、コンサルタントが転職希望者と面談し、営業担当者が企業を回る、という風に業務を分けています。しかし、Spring転職エージェントでは、すべてのコンサルタントが企業への営業も行います。面談を通じて転職希望者が求めるものを理解するとともに、採用担当者はもちろん、事業部のマネージャーや経営幹部といった企業側のステークホルダーと、ダイレクトに、継続してコミュニケーションをとることで、企業が求める人材を深いレベルで把握する。そうすることで、非常に精度が高い人材紹介が可能になる。これが360度式コンサルティングの大きなメリットです」
人材とも、企業とも、深く向き合う。Spring転職エージェントのコンサルタントが企業に人材を推薦するときは、何十人ものリストを渡すのではなく、厳選した数名を紹介しているという。
「ひとつの案件に対して20人も30人もリストアップしたのでは、1人ひとりの紹介が表面的になってしまいます。360度式コンサルティングよって転職希望者と企業双方のニーズにあった提案が可能になります」