貴乃花親方の退職問題で大きく揺れる日本相撲協会は2018年9月27日、東京・両国国技館で年寄総会を行った。総会に出席した関係者によると、会合の中で貴乃花親方の退職に関して協会側からの圧力があったのか、との質問が飛び、これに対して役員が「ないです」ときっぱり否定したという。貴乃花親方と協会の言い分に食い違いが見られ、いまだ真相が明かされていない中、ついに協会内からも疑問の声が噴出し出した。
25日の会見で貴乃花親方が激白した協会による圧力。今年3月に貴ノ岩暴行事件に関して貴乃花親方が内閣府に告発状を提出したことに端を発し、ついには貴乃花親方の引退騒動にまで発展した。貴乃花親方は圧力をかけた自分について実名などの詳細を明かしておらず、一方の協会も圧力をかけた事実を真っ向から否定。両者の主張が食い違ったまま、現在に至っている。
協会内部にくすぶる協会への不信感
協会は25日の芝田山広報部長(元横綱大乃国)以降、この日まで公の会見を開いていない。協会内でも26日まで親方衆に正式な説明はなく、この日の年寄総会で初めて経緯を説明したという。
ある若手の親方は「貴乃花親方の退職に関して全く情報がなく、何が本当か分からない。役員はある程度知っているだろうけど、それが下まで降りてこない。だからテレビで見る情報しかない。貴乃花親方と協会のどっちが本当のことを言っているのか、みな判断がつかない状態ですね」と、多くの親方衆が疑心暗鬼となっていることを明かした。
日大アメリカンフットボール部のタックル事件をはじめとし、女子レスリング、女子体操、日体大陸上部で起こったパワハラ問題などアマチュアスポーツ界で不祥事が続いている。記憶に新しい日大アメフト部のタックル事件では、責任を負うはずの日大理事長が会見を拒否し続けて雲隠れし、大いに世間の不評を買ったように、スポーツ界でもガバナンスが求められる中、依然として協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)が公の場で会見を行っていない。