「相撲協会が総意として決めることは考えられないと思います」
これらの見解には、協会側が都合よく取り繕っているのではないかと疑いの目も一部で向けられているが、貴乃花親方が言う「告発状は事実無根と認めなければ親方廃業」という要請の出所も定かではない。
貴乃花親方は会見で、この要請の「正式な通達、書類、文書はない」と明言し、「名前は控えるが、役員のある方から今(9月)場所の後半戦に入り初めてその話を聞いた」とするに留めている。そこで、要請をめぐって「八角理事長らと話し合いの場を持とうとしなかったのか?」と問われると、「正式な通達が理事長からあれば話せたかもしれないが、現在まで直接の通達はない」と返答。協会執行部に直接確認はしてなかったと見られる。
NHKで大相撲実況を長年続ける刈屋富士雄・解説委員は、会見の中盤で手をあげ、「親方はかなり『誤解』しているのではないかなと思って聞いています」と指摘した。「告発状の内容をすべて事実無根と認めなければ、親方としてやっていけないとか、一門に所属できないなどということを、相撲協会が総意として決めることはまず考えられないと思っています」「一部の理事、一部の役員の考え方ではないかと思います」と推測。さらに
「私は今場所中、いろいろな親方の話を聞き、『貴乃花親方を残したい、応援したい』という親方は半分以上いると思うんです。だから、貴乃花親方を追い出そうという一部の方の言葉で、結論を急がせない方がいいのではないか」
と、冷静になるよう伝えていた。
貴乃花親方は協会に「引退届」を提出したが、「退職届」でなければならないなどとして受理されていない。協会ぐるみで貴乃花親方を追い出そうとしているのか。やく氏は上記「プライムニュース イブニング」で、「協会も辞表を提出されたことに驚いているのではないか。即、慰留には走らなかったが、受理しなかったのが協会の意識の一端であると見たいです」と、引き留める可能性があることを指摘。そのうえで「真意がどこにあるか、互いの意思を確認する必要がある」と述べた。
貴乃花親方の代理人弁護士は27日、引退届を退職届として扱うよう求める上申書を協会に提出。協会は届けの扱いを同日の理事会で決めることを見送り、10月1日の臨時理事会で審議する見込み。