貴乃花親方の「引退」問題をうけ、リポーターの横野レイコ氏の報道姿勢に対して社会学者の古市憲寿氏が「(相撲協会の)代弁者じゃないんですか?」とツッコミを入れる一幕があった。
「とくダネ!」(フジテレビ系)でのやりとりで、これに対し横野氏は「はい。ない」ときっぱり否定した。
「私、別に協会寄りでも何でもなく...」
2018年9月27日放送の「とくダネ!」では、貴乃花親方の引退をめぐる騒動の続報を伝えた。5人のゲストらが一列に並び、向かって左端に横野氏、その横に貴乃花の兄で元横綱の花田虎上(まさる)氏、さらに女性司会者をはさんで次に古市氏が座った。
横野氏は、貴乃花について、決めたことは曲げない人物だと指摘しつつも、「今後も相撲に関わっていきたい」としていることを受け、
「もしかしたら、協会に戻る可能性も全くないこともない、と期待しちゃったところもある」
と話した。
そんな横野氏に古市氏は
「横野さん自身は、貴乃花に協会にいて欲しいのか、それとも追い出せて嬉しいという感じ?」
と質問をぶつけた。古市氏は以前から、横野氏が貴乃花に批判的だと感じていたようで、4月19日放送の「とくダネ!」でも、貴乃花一門の看板を下ろすことになったことを受け、「貴乃花親方に厳しい横野さんからすると、ちょっといいニュースじゃないですか」と指摘し、複数のスポーツ紙(ネット版)がその模様を報じていた。
「私、別に協会寄りでも何でもなく...」
古市氏の今回の質問に対し、横野氏は
「そんなこと思うわけないじゃないですか」
と笑いながら否定し、協会に残ってほしいと思っていた、と説明した。2人のやりとりは続く。相撲協会が「一門に所属しないといけない」と申し合わせたことについて、横野氏が「急いでいるのかな、という印象を持っている」と否定的な見解を示すと、古市氏は
「横野さんでさえも、嫌がらせに見えた?」
と、「さえも」と強調する表現を使って問いただした。横野氏が苦笑いを浮かべながら
「そうですね。私、別に協会寄りでも何でもなく...」
と答えている途中で、古市氏は
「(協会の)代弁者じゃないんですか?」
と追加質問。横野氏は
「はい。ない。協会からお金もらっているわけでもないので」
と否定した。古市は「ふふ」と軽く笑い声をもらしながら聞いていた。このやりとりの間、2人にはさまれていた花田氏と司会の山﨑夕貴アナは、無表情で話を聞いていた。もっとも、横野氏は
「貴乃花親方の行動でいけないなと思ったこともあるけど、今回に関しては協会も急ぎすぎた」
「貴乃花親方も折れないところもあったりして、突っ張りすぎた両者が招いてしまった不幸」
と、協会への苦言と並列ながら、貴乃花の姿勢へ釘を刺すことも忘れなかった。
日刊ゲンダイは「貴乃花の仮面を剥ぐ」緊急連載
横野氏をめぐっては、前日26日放送の「バイキング」(フジテレビ系)で、貴乃花が25日の会見で協会からの圧力を指摘したことに対し、「空気で思い込んでいらっしゃる部分があると思う」と否定的な発言をし、司会の坂上忍氏から「えー!」と違和感を表明される、といった場面があった。
こうした一連の流れもあってか、27日の放送での横野・古市両氏のやりとりが放送されると、ツイッターには、
「古市さん、ありがとう。よく言ってくれました」
「横野レイコのコメントは、いちいちトゲがあって協会ベッタリ感がありあり」
と、古市氏の指摘を歓迎する声が相次いでいた。ただ、貴乃花に対して批判的な声を挙げているのは横野氏だけではない。今回の騒動をうけ、たとえば夕刊紙の日刊ゲンダイは、9月26日発売(27日号)分から、「トンズラ退職 貴乃花の仮面を剥ぐ」という、批判的な緊急連載を始めている。