2018年9月27日時点でマジック5の埼玉西武ライオンズは、同日からメットライフドームで2位の福岡ソフトバンクホークスとの3連戦。最短で29日の優勝が可能な状況となっている。そんな中、ネット上では「ライオンズ・ブルーの呪いを打破せよ!」との声が上がっている。
「ライオンズ・ブルーの呪い」とは、西武が2009年以降、リーグ戦、クライマックスシリーズ、日本シリーズのいずれにおいても優勝していない事実と、同じく2009年からユニフォームの色が大きく変わった事実を重ねて、一部の西武ファンが「呪い」と表現していることを指す。もちろん、単なる偶然であることは明らかだが、2009年以降の西武を見ると、ファンが「呪い」とでも言いたくなるシーズンがあったのも事実だ。
2010年はM4でリーグ優勝を逃す
西武は2008年に、当時の渡辺久信監督のもとリーグ戦、クライマックスシリーズ、日本シリーズで優勝。翌年の2009年は4位に終わるも、その翌々年の2010年にはリーグ戦でマジックを4とした状態で敵地ヤフードームに乗り込んだが、ソフトバンクに3連勝され、その後マジックが消滅。そのままリーグ優勝を逃した。
一方のユニフォームだが、2008年までは水色をベースとしたものだったが、2009年からは紺色をベースにしたものになっている。水色に関しては「ライオンズ・ブルー」、2009年以降は「レジェンド・ブルー」と呼ばれ、公式サイトの2009年1月1日付の記事では、「ライオンズ・ブルーは『栄光』を象徴した伝説を紡ぐ青、『レジェンド・ブルー』へ進化する」と、チームカラー変更の理由が解説されている。
こうした中で、2010年のシーズン終了後あたりから、ネット上では、「西武が優勝できないのはユニフォームの色が変わったから」という趣旨の、優勝できない事実とユニフォームの色の変更を結び付ける書き込みがみられるようになった。翌年以降も西武はリーグ戦での優勝を逃し続けたほか、2011年~2014年、および2017年にはクライマックスシリーズに出場したものの、いずれも敗退。「呪い」とでも言える状況が続いている。
いまだに前ユニフォーム懐かしむ声
2009年からのユニフォームがすでに大多数のファンの間で浸透しているのは紛れもない事実だが、ネット上を見渡すと、
「西武って、元の青いユニフォームに戻せばいいのにね」
「西武はいつまであの地味なユニフォームで優勝逃すつもりや?」
など、いまだに「ライオンズ・ブルー」のユニフォームを懐かしむ人たちの声が散見されている。ファンにとっては重大な関心事である「優勝」と、ユニフォームを変えた2009年から達成できていない事実を結び付けたくなるのは無理からぬ心理なのかもしれない。こうした中で生まれたのが、「ライオンズ・ブルーの呪い」なる言葉だ。
「呪い」を断ち切った阪神
プロ野球の「呪い」といえば、一昔前までは「カーネル・サンダースの呪い」なるものが有名だった。1985年に阪神がリーグ優勝した際(この年の阪神は日本シリーズでも優勝)、優勝を喜んだ阪神ファンが、「ケンタッキー・フライドチキン」のキャラクター「カーネル・サンダース」の像を、大阪・道頓堀に投げ込む事件が発生。その後、阪神が優勝できないことと絡めて「呪い」として語られたが、その後阪神は2003年にリーグ優勝を達成し、「呪い」は解けたとされている(同年の日本シリーズ優勝チームは福岡ダイエーホークス)。
翻って、M5としている西武だが、「呪い」は打破できるか。
(J-CASTニュース編集 坂下朋永)