米ゼロックスの買収問題の行方
富士フイルムHDとしての当面の最大の課題は、暗礁に乗り上げている米ゼロックスの買収計画だ。デジタル化の進展によるオフィスのペーパーレス化の影響でコピー機市場は縮小を余儀なくされている。名門ゼロックスといえども苦境にあり、既に資本関係にある富士フイルムHD子会社の富士ゼロックスと統合し経営を効率化する(富士フイルムHDの傘下に入る)というのは自然な流れのようにも見える。
このスキームに高値売却をもくろむ米ゼロックスのモノ言う株主が反対し、その訴えを審理する米裁判所が買収差し止め命令を出したのが4月。解決の糸口が見えぬまま時間が過ぎて長期戦の様相となっている。世界戦略で提携する両ゼロックスの関係が解消されるような事態になれば共倒れになりかねないだけに、富士フイルムHD株価にも大きく影響するのは必至とあって、その行方も目が離せない。