台風21号で関西国際空港からの離着陸ができなくなっていた問題で、日本航空(JAL)の赤坂祐二社長が2018年9月26日の定例会見で「いろんな登場人物が多くてですね...」などとこぼす場面があった。
関空の施設は政府が保有しているが、運営は2年前から民間会社に移行している。赤坂氏は、運営会社は航空会社の業務内容について知識が不足していることを指摘する一方で、政府主導で復旧が進んだことを「短い期間で復旧させた大きな原動力になった」と高く評価した。
「空港の運営については本当によく知見があると思うが」...
関空の施設や滑走路は、政府が100%出資する新関西国際空港会社が保有するが、運営は16年4月から民間会社の「関西エアポート」が担っている。同社はオリックスと仏空港運営会社の「ヴァンシ・エアポート」が40%ずつ出資。16年4月から関空と伊丹空港、18年4月から同社の子会社が神戸空港の運営を引き継いでいる。
台風21号は9月4日午後、近畿や北陸地方を縦断。この日から関空からの離着陸ができなくなった。JALなどが使用している第1ターミナルは被害が大きかったため、普段はLCCが利用している第2ターミナルを使用して、7日に国内線の一部で運航を再開。14日には第1ターミナルが一部再開され、全便の運行が再開されたのは21日だった。
そういった状況を踏まえて、赤坂氏は
「正直に申し上げると、結構やっぱり、いろんな登場人物が多くてですね...調整がかなり大変だったんじゃないかなと(思った)。我々を含めてですね...。そういう中で、非常に難しい状況を関空エアポートさんが迅速にやられたという風に、高く評価している」
など振り返り、関西エアポートの対応を評価した。だが、本音は「課題あり」といったところのようだ。
「ただ、もうひとつ感じたことを申し上げると、やはりエアラインのオペレーションに対しての、まだまだご経験が、そんなに多くないかなと...。空港の運営については本当によく知見があると思うが、特にやはり、飛行機がどうやって飛んでいるかというようなことを含めて、まだまだこれから我々と一緒に色々なコミュニケーションをしていく必要があるのではないか」