MBLエンゼルスは2018年9月25日(日本時間26日)、大谷翔平投手が、右肘靭帯の再建手術(通称・トミー・ジョン手術)を受けると発表した。10月の第1週にロサンゼルス市内の病院で手術が行われる予定で、来季のマウンド復帰は絶望的となった。19年シーズンは打者に専念する可能性が高く、二刀流は早くても20年のシーズンとなりそうだ。
大谷がついに決断を下した。9月2日の復帰のマウンドで右肘に新たな靭帯の損傷が発覚。損傷の度合いは、3段階中の2番目の「グレード2」で、チームドクターからトミー・ジョン手術を受けることを勧められていた。その後、同愛記念病院の土屋正光医師にセカンドオピニオンを求めるなど、慎重を重ねた上での結論だった。
過去にトミー・ジョン手術を受けた野手の成績は
大谷の手術は、MLB公式サイトが速報として報じたほど、全米でも二刀流の動向に注目している。一般的に投手がトミー・ジョン手術を受けた場合、復帰のマウンドまでリハビリを含めて1年から1年半ほどかかると言われている。ダルビッシュはレンジャーズ時代の2015年3月にトミー・ジョン手術を受け、メジャーのマウンド復帰まで15か月間を要した。
では、野手がトミー・ジョン手術を受けた場合、復帰までにはどれほどの期間が必要なのか。MLB公式サイトでは、過去にトミー・ジョン手術を受けた野手の例を挙げて「全員が1年以内にフィールドに戻ることが出来た」とコメントしている。
大谷と比較しやすい野手でいえば、現在、大谷と新人王争いを展開しているヤンキースのグレイバー・トーレスだろう。右打ちのトーレスは、マイナー時代の2017年6月に左肘の靭帯を断裂し、トミー・ジョン手術を受けた。トーレスの場合、損傷ではなく断裂だったため復帰まで多少時間がかかったが、それでも18年の開幕のグランドに立ち、9月26日時点で打率.276、23本塁打、73打点のハイレベルな成績を残している。
左打者の大谷が手術を受けるのは右肘で、トーレスとは左右反対だが、トーレスに重ね合わせることが出来る。年齢的にもトーレス21歳、大谷24歳と、ともに若く、術後の回復もまた早いと推測される。今シーズンにおいてトーレスに手術の影響は見られず、新人王争いでは、大谷の強力なライバルとなっている。