シンガーソングライター松任谷由実さんの楽曲の配信が、主要音楽配信サイトで始まった。
ダウンロード販売のほか、サブスクリプション型音楽配信サービスでも楽曲が楽しめるようになった。ダウンロード販売はiTunes、レコチョク、mora。サブスクリプションはApple Music、Spotifyなど。配信されるのは松任谷さんの約45年にわたるキャリアで発表された全424曲(2018年9月現在)だ。
配信サイト上位に続々ランク入り
9月24日、公式サイト上で配信開始が告知された。その日のうちに音楽ニュースメディア「音楽ナタリー」などでも取り上げられた。
今回の解禁をうけてツイッター上では、
「松任谷由実ストリーミング解禁!?えーっ、めっちゃいいやん」
「遂にApple Musicでユーミンが解禁されて感無量でござる...泣」
「松任谷由実の楽曲がiTunesミュージック解禁になった。夏にカセットテープからダビングしたのが徒労に」
と歓迎の声が多数寄せられている。
また、配信先でも人気を集めているようだ。ユーミンとしても親しまれている松任谷さんが12年に発売したベストアルバム「日本の恋と、ユーミンと。」は18年9月26日昼現在のiTunesのアルバムチャートで3位、ファーストアルバム「ひこうき雲」(1973年)が25位にランキング入り。レコチョクでも26日昼現在のアルバムチャートで「日本の恋と、ユーミンと。」が1位、ベストアルバム「ユーミンからの、恋のうた。」(2018年4月)が2位にランクインしている。
こうしたベストアルバムとは別にサブスクリプションでは初めて松任谷さんを聴くユーザー向けに代表曲を各アルバムから集めたプレイリストが公開されており、Apple Musicで公開されている「はじめての松任谷由実」はプレイリストの再生回数ランキングで2位につけている。
配信に踏み切った理由は?
松任谷さんのようにミュージシャンとしてのキャリアが長く、現在でも第一線で活躍する「大物ミュージシャン」が配信を解禁する例が相次いでいる。
人気バンド「Mr.Children(ミスターチルドレン)」が18年5月10日からダウンロード販売とサブスクリプション配信を開始した。シンガーソングライターの椎名林檎さんも5月27日よりサブスクリプションでの配信を始めた。直近では9月1日よりシンガーソングライターの井上陽水さんがサブスクリプションを解禁させた。
日本レコード協会が発行する「日本のレコード産業2018」によると、CDなどフィジカルな音楽ソフトの売り上げは年々下がってきている。しかし、サブスクリプションといったストリーミング・サービスの売り上げは13年に31億円だったが、瞬く間に増え、17年には263億円まで膨らんだ。
こうした背景からサブスクリプションにおいて楽曲を配信しないミュージシャンの存在は「いつ配信されるのか」という注目を集めている。松任谷さんはサザンオールスターズやB'z、中島みゆきさんらと共に未配信ミュージシャンの筆頭格として取り上げられていた。
何故、今回配信に踏み切ったのかについては松任谷さんの公式サイト上で、松任谷さんの夫で音楽プロデューサーの松任谷正隆さんがコメントしている。今回、解禁された音源はすべてエンジニアのGOH HOTODAさんによるリマスタリングが施されている。これが大きな要因であったようで、
「今回、配信に踏み切れたのはエンジニアのGOHさんと知り合ったことが全てだと思います。GOHさんの配信用マスタリングはまるで3D眼鏡をかけて映画を見るみたいだったから」
と述べていた。
(J-CASTニュース編集部 大山雄也)