球団史上初のリーグ3連覇に王手をかけている広島カープ。2018年9月24日の対DeNA戦(マツダスタジアム)には、歓喜の胴上げを見ようと多くのファンが詰めかけ、スタンドを真っ赤に染め上げた。
優勝が懸かったこの試合で、カープ球団側が取った「特別対応」に、一部のDeNAファンから不満が漏れている。試合後のツイッターには、「おかしいだろ」といった怒りの書き込みも。いったい、何があったのだろうか。
試合終了「5分」でPV開始
24日の試合前時点で、広島のマジックナンバーは「1」。DeNAに勝利するか、2位のヤクルトが対中日戦(ナゴヤドーム)で敗れるか、広島・ヤクルトの両試合が引き分けで終わるかで、球団9度目のVが決まる状況だった。
まず試合が終わったのがマツダスタジアム。広島は5-7で逆転負けを喫し、この時点での優勝はお預け。現地のファンからは大きなため息が漏れ、Vの行方はヤクルト-中日の結果に委ねられた。
この展開から、DeNA戦が終わった直後のスタジアムの大型ビジョンには、ナゴヤドームでのヤクルト戦中継が映し出された。つまり、試合後の球場がパブリックビューイング(PV)会場になったのだ。
こうした対応で割りを喰ったのが、ビジターで応援をしていたDeNAファン達だ。結果としてヤクルトは6-1で勝利し、カープの優勝はお預けになったものの、現地にいたDeNAファンは25日のJ-CASTニュースの取材に対し、
「試合が終わって5分後ぐらいにはPVが始まっていたと思います」
と説明する。
PV開始の影響もあってか、通常は3塁ベンチ前で行われるヒーロー選手へのインタビューが実施されず、勝利チームのファンがスタンドに残って応援歌を歌う「二次会」と呼ばれる恒例行事も行われなかったというのだ。
「相手チームへの敬意を忘れてはいけない」
もちろん、この日の球場にいた観客のほとんどはカープファンで、優勝が懸かった他球場の試合展開は大きな関心事だったことは確か。だが、球場を訪れたビジターファンを軽視したような対応に、ツイッターには次のような声が広がった。
「ズムスタ、ヒロインやらずにヤクルトの試合見始めちゃった...」
「ベイスターズが勝ったのにヒーローインタビュー無しって。。。おかしいだろ?」
「こっちは勝利して雨の中ヒーローインタビュー待ってたんですよ」
こうした疑問や不満を抱いたのはDeNAファンだけではなかったようで、当のカープファンからも、
「いや、他球場の様子じゃなくて、DeNAのヒロインやろうよ」
「胴上げ待ちはいいけど、相手チームへの敬意を忘れてはいけないと思うんよ ヒロインやらないんじゃDeNAのファンが納得しないだろこんなの」
といった苦言が相次いでいた。
そのほかにもネット上では、この試合でDeNAが勝った場合に選手インタビューを行わないことは、両球団が事前に申し合わせていた、との情報も。ただ、これについても現地にいたというDeNAファンの1人は、
「最初からやらないつもりなら、アナウンスして欲しかった。急にPV始まって困惑したし、応援団もさっさと帰ったし やらないならやらないで、前もって説明責任を求めますわ」
と訴えていた。
J-CASTニュースでは25日、カープ球団に対し、(1)この試合でDeNA選手のヒーローインタビューが行われなかった理由(2)不満の声も出ているが、球団としてコメントはあるか――の2点を取材で質問したが、同日19時までに回答はなかった。