大相撲の元横綱、貴乃花親方(46)が2018年9月25日、日本相撲協会へ「(年寄)引退届」を提出したのち会見を開いた。協会から「有形無形の要請を受け続けた」と、協会から受けた圧力が引退の理由だと説明した。
問題となったのは、3月に元横綱日馬富士の傷害事件に関して協会の対応に問題があるとして、内閣府に出した告発状。その後取り下げたものの、「告発内容は、事実無根だった」と認めるよう、協会幹部から「要請」を受けたが、貴乃花は「事実無根ではない」として、応じることはできず、今回の決断に至ったという。
「土俵には携わっていきたい」
貴乃花は会見で、「無念」との表現を何度か使いながら、引退に至った事情を説明した。3月に内閣府に提出した告発状では、元横綱日馬富士から暴力を受けた弟子の貴ノ岩の主張が反映されていない調査結果を協会がまとめたことなどに対し、「公正中立な内容ではない」と訴えていた。
のち、自身の部屋の弟子の暴力行為が発覚し、告発状は取り下げていた。しかし、8月7日に「告発状は事実無根な理由でなされた」との書面が協会側から届いた。その後、文書で反論していたが、9月の秋場所(23日に千秋楽)の後半、ある協会役員から「告発状は事実無根な理由でなされた」と認めないと親方を廃業せざるをえなくなる、と「有形無形の要請」を受けたという。理事会で、一門に所属しない親方は部屋を持てないと決めたこととも関連付けて、認めるよう迫られた。しかし、貴乃花は「事実無根ではない」として、認めることはできなかったという。
貴乃花は今後について「土俵には携わっていきたい」と語った。
弟子たちは、千賀ノ浦部屋に所属先を変更することになったとも説明した。