貴乃花親方が廃業へ 相撲協会の「締め出し」に新団体設立で対抗か

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   大相撲の貴乃花親方が2018年9月25日、日本相撲協会に退職届を提出したと、スポーツニッポンなどが報じた。貴乃花親方が、報道各社にFAXを送信して報告したもので、自身の退職届とともに、貴乃花部屋に所属する力士と床山、世話人の所属先の変更願いを提出した。

   貴乃花親方の退職届を日本相撲協会が受理したか否かは25日15時時点で判明していない。親方は2010年にも退職届を出したことがあるが、このときは当時の理事長が説得して受理しなかった。もし協会が受理すれば、貴乃花部屋の取り潰しが決定し、貴乃花親方は廃業となる。

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廃業への布石があった

   日本相撲協会は7月の理事会で、各部屋が協会内にある5つの一門(出羽海、二所ノ関、高砂、時津風、伊勢ケ浜)のいずれかに所属することを決めた。すでに6月に貴乃花一門は消滅しており、貴乃花を含む同一門の8人の親方衆は、5つのいずれかの一門に「転籍」する必要性に迫られていた。

   貴乃花親方以外の7人は秋場所中に所属先を決めており、貴乃花親方だけが未定だった。9月27日の理事会までに所属先が決まらなければ、協会員の資格を満たさないため、部屋が取り潰される。そんな矢先の退職届提出だった。

   予兆はあった。9月24日に貴乃花親方が自身の活動などをファンに伝えるWEBサイト「貴乃花応援会」に相撲協会退職を匂わせるコメントを投稿した。

   「千秋楽迎え、貴乃花部屋を支えて下さる皆様へ」とのタイトルが付けられ、「皆様長らく貴乃花を応援してくださりありがとうございました。厚く御礼を申し上げるとともに、弟子たちを今後、末永く応援賜りますように何卒宜しくお願い申し上げます」と綴られた。

   このコメントの真意を巡って角界では、「廃業して新団体設立」か、との憶測が飛び交っていたが、貴乃花親方が退職届を提出した今、新団体設立が現実的となった。

貴乃花親方の新団体設立を予言していた人物とは

   貴乃花親方の新団体設立を「予言」していた人物がいる。2018年1月7日放送の「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ系)で、「FRIDAY」「週刊現代」で記者歴のある藤谷英志氏が、貴乃花親方の新団体設立を断言していた。同番組で藤谷氏は「断言します」と前置きした上で、「(貴乃花親方が)新たな相撲興行団体を起ち上げます」と言い切った。

   さらに番組内で藤谷氏は、新団体の名称も考えてきたと言い「シン・相撲」と発表。「シン」には3つの意味があるといい、1つは旧態依然とした要素を排除し一新する「新」の意味。2つめは、真剣勝負の「真」で、3つめは、神事・国技として品格を尊重する「神」の意味を込めているという。

   また、貴乃花親方の今後について全国スポーツ紙のデスクは次のように指摘する。

「以前から貴乃花親方は協会の改革を叫んできた。廃業という道を選んだ貴乃花親方は、間違いなく新しい相撲団体を立ち上げるでしょう。資金面では少し苦労するかもしれいが、貴乃花親方には良質なスポンサーがついていることだし、映像はインターネットで放映すれば問題ない。実際、日本相撲協会もNHKとは別にインターネットメディアを通じてライブ放送に乗り出している。あとはどれだけ貴乃花親方に賛同して付いてくる親方、力士がいるかどうかですね」

来年にも新団体設立か

   2010年7月に発覚した野球賭博事件で、貴乃花一門に属する阿武松親方の部屋の力士と床山が事件に関与していたとし、その責任を取る形で、貴乃花親方は協会に退職願を提出している。この時は協会が一時保留として結果、受理されなかったが、今回は貴乃花親方の個人な事情であることから受理される可能性が高い。

   昨年末、元横綱日馬富士による愛弟子・貴ノ岩への暴行事件が発覚した。この事件を巡って一貫して協会と対立した貴乃花親方は、協会相手に一歩も引かない姿勢を見せた。周囲から幾度となく「協会離脱」の声が上がったほどその態度は頑なだった。

   理事から平年寄に降格し、半ば協会から追い出されるようにして角界を去る形となる貴乃花親方が目指す「改革」は、早ければ来年にも実現するかもしれない。

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