「妊娠はしておらず」 結婚報道の「奇妙な常套句」なぜ生まれたのか

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日本人の「スキャンダル観」の変化映す

   使用例が増え始めるのは2003年ごろで、たとえば、女優・江角マキコさんの結婚では、

「妊娠はしておらず、関係者によると4月期の連続ドラマへの出演が決まっており、挙式は早くても今秋になるという」(ニッカン、2003年1月28日付)

といった形で報じられた。

   その後2005年ごろには、当初あまりこの表現を使っていなかったデイリーなどでも用例が見られ始める。データベースの収載期間の関係もあり、単純な件数の比較は難しいが、遅くとも2007年ごろには各紙当たり前に使うように。

   いったんまとめると――元々「妊娠はしておらず」という表現は、事前に妊娠説があった場合や、女子アナなど限られたケースでしか使われていなかった。ところが、2000年代半ばごろから急激に普及し、やがて常套句化する。

   こうした変化の背景には何があるのか。「それだけ、できちゃった婚が当たり前になったということでしょう」と見るのは、芸能評論家の肥留間正明氏だ。

「昔は、たとえばアイドル同士の交際はそれ自体が『スキャンダル』。キスをした、家に泊まった、というだけで謹慎ものでした。だからこそ、芸能レポーターがあれだけ活躍できたわけです」
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