大坂なおみ、「格下に苦戦」のワケ 「凱旋V」への課題も浮き彫り

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弱さの中にある真の強さ

   波に乗れば絶対的な強さを見せる一方で、この日のようにファーストサーブがなかなか決まらない試合では自身よりもランキングで劣る選手に苦戦することも見られる。若さゆえか、大会を通じて波があり、実際、優勝した全米オープンでもその傾向が見られた。

   4回戦で対戦したアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)に大いに苦しめられた。第1セットを6─3で先取したものの、サーブ、ショットともに精度を欠き、第2セットを2─6で落とした。最後は相手のミスに助けられ、6─4で勝利したが、よほど精神的に追い詰め垂れていたのか、試合後、「全てのポイントで戦うことだけを考えていた。たとえ足が折れてもいいと思いながら、全てのボールに食らいついていった」と涙ながらに語り、感情を爆発させた。

   この一戦を機に、一気に波に乗った。以後の快進撃は記憶に新しい。準々決勝を6-1、6-1で圧倒し、準決勝も6-2、6-4とストレート勝ち。決勝でもセリーナ・ウィリアムズ(米国)を6-2、6-4のストレートで下し、グランドスラム制覇を遂げた。

   今回の21日の試合では「弱点」を露呈した形となったが、気持ちの切り替えの早さもまた、大坂の持ち味だ。全米オープンで見せたように、200キロの高速サーブが蘇れば、凱旋Vが視界に入ってくる。

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