まとめサイト「保守速報」が2018年9月20日、ノベルティグッズの販売を始めた。サイトのバナー広告が全て停止したことを受けた動きで、この販売収益を運営費に充てる狙いだ。
グッズ第1弾は「旭日旗」をデザインした「しおり」で、価格は1080円(税込、送料別)。右下には縦書きで「保守速報」の文字が書かれている。
旭日旗など描かれたしおり
保守速報は12年4月開設。5ちゃんねる(2ちゃんねる)などの書き込みを転載して紹介するまとめサイト。保守的かつ「嫌中・嫌韓」的な編集方針で知られ、人種差別的な書き込みを転載することもあった。
こうした編集方針をめぐって、ネット上では18年6月初旬頃から、同サイトに広告を掲載している企業へ取り下げを求める動きが活発化。これを受けて、広告掲載を停止する企業が続出した。
その後、保守速報の管理人は7月1日、
「現在広告がない状態で運営しております。このままだと存続が危うい状態です」
とサイト上で報告。あわせて、福岡県行橋市の小坪慎也市議から、グッズ販売など支援体制の提案を受けたとも伝えていた。
そして、9月20日。小坪氏が立ち上げた「保守基金」という通販サイトで、保守速報の運営費を集めるためのグッズ販売が始まった。保守速報も同日の記事で、管理人名義で「平成30年9月20日(木)より、しおりの販売を開始させて頂きます」と伝えた。
第1弾グッズはしおり。デザインは一般ユーザーから公募したもので、旭日旗と桜、保守速報の文字が描かれている。販売ページには、「単なるファングッズではなく、是非とも実際に使って頂きたい」とコメントが。その上で、
「『保守速報』の文字は、右下に印刷されており、(編注・書籍に挟んだ使用時は)基本的には見えません。ちょっと気になるという方も、安心して使えるのではないでしょうか」
との説明もあった。
価格は税込1080円(送料別)だが、一度に10個購入すれば、送料が無料になるという。近く、錦鯉のイラストに「HosyuSokuhou」の文字を入れた別デザインのしおりを販売するとも告知していた。
「なんとかサイト継続ができそうです」
こうしたグッズ展開やサイトの今後について、保守速報の管理人は販売決定の旨を伝えた17日の記事でも言及していた。まず、しおりの図柄に応募したデザイナーに対し、
「保守速報にお力添え頂き誠にありがとうございました。本当に助かりました!応募頂いたことで生き残る希望の光が見えました」
と感謝。その上で、「広告がなくなってからはや3か月。収入は止まりましたがサイトが見やすくなったというお声も頂いたので、もしかしたら良かったのかもしれませんね」と続け、
「読者の皆様、そしてデザインを応募してくださった皆様のおかげで、なんとかサイト継続ができそうです」
と、今後も運営を続ける旨を報告した。
また、「保守基金」を立ち上げた小坪氏は20日のブログで、同サイトについて、保守系のネット論壇を支援するための通販サイトだと説明。「イメージとしては、保守活動専用のamazonや楽天のようなもの」とも書いていた。
なお保守速報をめぐっては、ネット上のヘイトスピーチ投稿をまとめて掲載され、名誉を傷つけられたとして、在日朝鮮人の女性がサイト運営者を提訴。18年6月28日の控訴審判決で、大阪高裁は管理人に200万円の支払いを命じる1審判決を支持し、双方の控訴を棄却した。この判決後、保守速報には「上告します」とのコメントが掲載された。