ドラマ「義母と娘のブルース」(TBS系)の最終回が、今期民放ドラマ最高視聴率19.2%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)を記録し、好調のまま有終の美を飾った。
「小さな奇跡」がひとつのテーマだったこのドラマは、最終回の最後の場面でも主演の綾瀬はるかさん(義母の亜希子役)が「奇跡?」とつぶやくシーンがあった。その直前には、亜希子が使うはずの新幹線のチケットがアップになるのだが、このチケットの何が「奇跡」なのかの説明はなく、ツイッターには「どんな奇跡が隠れているの?」と解説を求める声も出た。ある表記を根拠に「続編への伏線では?」と期待する人もいる。
不思議な新幹線チケット
「義母と娘のブルース」(通称「ぎぼむす」)は2018年9月18日に最終回を迎えた。サブタイトルは「完結~さらば義母!愛が起こす奇跡の果て、私は娘を愛してます」。ドラマ初回からたびたび登場する「奇跡」のキーワードが、ここでも登場している。
内容は、亜希子と高校3年生で大学受験を終えた、結婚相手の連れ子・みゆき(上白石萌歌さん)が、互いを思いやる愛情を確認し合ったうえで、大阪と東京とで別れて暮らすことになり、それぞれの新生活へ向かうという展開。最後の場面では、大阪へ行くべく駅に向かったはずの亜希子が、なぜかみゆきの新居に先に入っており、新幹線のチケットが見当たらないため、みゆきの荷物の中を確認させて欲しいと申し出る。間違って入れてしまったかもしれない、というわけだ。亜希子が荷物の中を探し始めるとすぐ、みゆきは亜希子が持ち歩いていた本の間にはさまっていたチケットを発見し、亜希子に告げる。亜希子が確認をするところで、チケットが短時間ながら、ややアップになる。
すぐに画面は切り替わり、亜希子とみゆきの正面から2人並んだ顔をとらえる。亜希子は、少しきょとんとしたような表情を浮かべながら「奇跡?」とつぶやく。隣のみゆきは、にこっと微笑みながら、亜希子に話しかけるような素振りをみせる時に画面は白く変わり、右下隅に「おわり」の表記が出た。
何が奇跡なのかの説明はなく、ツイッターで「実況中継」気味に感想を連投していた原作者の桜沢鈴さんも「ふぁ?どういうこと!?」とつぶやいたほどだった。ツイッター上では他にも
「どなたか、教えて・・どんな奇跡が隠れているの?」
「ラストの新幹線の奇跡の意味を旦那と頭を抱えて考えている」
と、どこが奇跡なのか、といぶかる感想が相次いだ。
「東京発、東京行」?
チケットがややアップになる場面を録画の静止画面で確認すると、出発地と到着地が「東京←→東京」と、なぜかいずれも東京になっていた。亜希子は大阪に向かうはずの予定だった。出発時間と到着時間も同じで、しかも(1~4が)連続する数字で「12:34発」「12:34着」。他にも「123号 4号車56番C席」と、「1~6」の連続数字になっていたり、「G(ぎ)B(ぼ)M(む)S(す)」と番組略称の頭文字が並んでいたりした。ラッキー7が並ぶ「R777」の表記も。一方で、チケット料金は「¥14,450」となっており、これは、「東京‐新大阪」間の新幹線・普通指定席(通常期)の値段と同じだった。
こうした不思議な数字を確認した人たちは、中にはチケットのアップ画像付きで、ツイッターで報告した。解釈は大雑把に2派に分かれ、ひとつは、こうした不思議な数字が並び、「東京発東京行」という、通常ではありえない表記のチケットであること自体が「奇跡」であり、「奇跡」をひとつのテーマにしていた番組だけに、
「ラストのチケットには奇跡がいっぱいで、ほっこりした」
「小さな奇跡でしめたラストもあっぱれ!」
と満足そうに受け止めていた。
一方、「東京発東京行」に意味を見出そうとする人たちもおり、
「(亜希子の)大阪赴任が東京に変わって、また一緒に暮らす続編への伏線」
「東京勤務になったのか?」
「続編もあるってことなんかな」
と、離れ離れになるはずだった2人が、結局また東京で暮らし続ける展開を推測していた。