「30分待たせる」のはどこまで失礼か 横尾忠則氏の特別展、延期に発展

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   国内外の活躍で知られる美術家の横尾忠則さん(82)の出身地(兵庫県西脇市)にある岡之山美術館は、開幕まであと10日だった横尾さんの特別展の開催を延期すると発表した。

   展示予定の作品の地元制作日に、素材を運ぶ美術館職員の到着まで約30分待たされ、横尾さんが「創作意欲がなくなった」と引き揚げてしまった。その後の日程調整もつかず、延期が決まったという。ネット上では、「遅れる方が悪い」「いや、そんなことで怒るなんて」と美術館側と横尾さん側の双方への批判・同情の声が出ている。

  • 横尾忠則さんには多くの著書もある(画像は『アホになる修行』イースト・プレス)
    横尾忠則さんには多くの著書もある(画像は『アホになる修行』イースト・プレス)
  • 横尾忠則さんには多くの著書もある(画像は『アホになる修行』イースト・プレス)

「制作意欲がなくなった」と引き揚げ

   西脇市岡之山美術館(公益財団法人「西脇市文化・スポーツ振興財団」運営)は2018年9月18日、特別展「横尾忠則 西脇幻想展」(9月28日~19年3月24日)の開幕を延期すると発表した。延期期間は未定。

   美術館の説明によると、展示予定の作品の一部を8月29日、市に隣接している同県多可町の施設で和紙作品を作る予定だった。しかし、材料を運ぶ担当の職員の到着が、横尾さんの到着より約30分遅れ、横尾さんが「創作意欲がなくなった」と、そのまま宿泊先へ引き揚げてしまった。

   横尾さんのその後のスケジュールが詰まっていたこともあり、制作が進まなかったため、9月14日に横尾さん側に開幕延期を伝え、了承を得たという。

   発表を受け、「職員遅刻に立腹、制作進まず...横尾さん個展延期」(読売新聞ネット版、18日)、「職員遅刻で『意欲そがれた』~(略)」(朝日新聞ネット版、19日)などの見出しでニュースが流れると、ツイッターには賛否両論の声が相次いで寄せられた。

   美術館側を批判する意見としては、

「お願いする立場の人間が30分も遅刻したらキレるわ」
「芸術家は気難しいのだから」

といった声が並んだ。一方で、

「昔なら芸術家一流のワガママで通用しただろうけど、今時はどうなんだろう?」
「そんなんで怒るって、ちいさい男やな」
「30分遅刻しただけでご立腹?(略)パワハラとちゃうのか?」

と、横尾さんの対応に厳しい目を向ける人もいた。

   他にも、

「遅刻はきっかけに過ぎないのでしょう。今までの不満があったからだと思う」

と推測する声が複数、見受けられた。

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