猛暑による夏物雑貨の売れ行きが好調
足元の業績がまずまず好調であることも株価を支えている。7月の既存店売上高は前年同月比4.4%減だったが、これは悪天候やセール開始を6月に前倒しした影響によるもので、高島屋3.6%減、大丸松坂屋4.1%減と同業他社も軒並みダウンした。8月は業界大手4社が増収で三越伊勢丹は4.8%増。訪日外国人の高級ブランド品購入や猛暑による夏物雑貨の売れ行き好調が貢献した。
株価が下がる要因となった2018年4~6月期連結算。確かに売上高は前年同期比2.3%減の2867億円、純利益は5.3%減の45億円と減収減益で、通期の見通しも4.9%減収のまま据え置いた。ただ、店舗閉鎖の影響が一巡すれば回復する可能性はあり、アナリストの評価もさほど悪くない。野村証券が8月1日に出したレポートでは、「構造改革が計画通りに推移していることを受け、今・来期業績予想を上方修正するとともに目標株価は1310円から1480円へと引き上げる」として目標株価を170円上げた。米中貿易戦争の影は無視できないが、株式市場全体が高水準で資産効果が見込まれるだけに、旗艦店舗を中心に業績が伸びることが期待されている。