ゴミ収集中の「住民の暴言つらい」 新聞投書が波紋...業者を取材すると

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   東京都内でゴミ収集業務に携わっているという30代男性から、作業中に住民から暴言を浴びせられてつらいと新聞に投書があり、波紋が広がっている。

   「臭いから早く持っていけ」。朝日新聞の2018年9月17日付朝刊生活面に載った投書では、男性は、住民からこう言われたと訴えた。

  • ゴミ収集中の暴言は多いのか
    ゴミ収集中の暴言は多いのか
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「勉強をしないから、こんな仕事」と言われたと告白

   投書によると、男性は、都内の自治体からゴミ収集の業務を受託している会社で働いている。作業中に、一部住民から酷い言葉をかけられており、「勉強をしないから、こんな仕事をすることになる」と、周囲に向かって大声を出されたりしたこともあるという。

   暴言には反論したいが、上司は、「我慢してくれ」と言うばかり。仕事を失うことを恐れて、会社は、委託元の自治体には伝えていないという。これに対し、男性は、「今は仲間内で愚痴を聞いてもらうよりなく、やりきれません」と嘆いている。

   この投書については、漫画家のさいきまこさんが17日、ツイッター上で紹介し、暴言を吐く一部住民について、「『こんな仕事』のお世話になっていることを、一体どう考えているのか」と疑問をぶつけた。ツイートは、18日夕現在で「いいね」が2万件以上も付いており、様々な意見が寄せられている。

   また、5ちゃんねるでも、投書についてのスレッドがいくつか立っている。

   それらの意見を見ると、「臭いから早く持って行っては、どうしても思ってしまいます」との声もあったが、一部住民への疑問や批判の方が多い。

   「職業に貴賤は無いはずなのに悲しいな」「ゴミ収集の人がいなかったらどうなるか想像してほしい」「その『臭いもの』を出してるのは自分たちなのに」「人が嫌がる仕事をしてくれてありがとう!と感謝する心を」といったものだ。

昔はよくあったが、最近は時々あるぐらい?

   J-CASTニュースが都内のいくつかのゴミ収集業者に9月18日に取材したところ、昔は酷いことを言われることもよくあったが、最近は時々あるぐらいと答えることが多かった。

   多摩地区のある業者によると、多いのがゴミを収集した後に「まだ取りに来ていないよ」とクレームを入れてくるケースだという。1週間に2、3回はあるそうだ。収集車は、ドライブレコーダーが設置されており、収集した証拠は残っているというが、業務だからとして再びゴミ収集に行くことにしている。

   また、「ゴミを分別して出さない酷い住民がいるので、何とかならないか」と筋違いのことを言ってくるケースも月に1、2回あるといい、業者では、「市役所に言って下さい」などと答えているという。

   一方、都区部の業者2社に聞くと、「10~20年以上前は住民からの暴言もあったが、時代が変わって今はほとんどない」「サービスに気を遣っているので、うちでは話は聞いていない」との答えだった。

   都区部のある清掃事務所は、「『臭いから早く持っていけ』と言われるのは、以前からあったことで、今もないことはないです。しかし、言われても、言い返さないように業者には伝えています」と取材に話した。

   都の一般廃棄物対策課では、「ゴミ収集は、区市町村の自治事務ですが、収集車のクレームが時々こちらに来ることはあります。住民とトラブルにならないように、言われたときどうするかは各清掃事務所で対応を考えていると思います」としている。

(J-CASTニュース編集部 野口博之)

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