「言っちゃったらどうなるか。もう、それこそ党内はめちゃくちゃでしょうよ」
そこで収まらないのが石破氏だ。斎藤氏に事実関係を確認したかについては「聞きません」。その上で、「圧力」は実際にあったとの見方を示した。
「ただ、斎藤健さんという人は、作り話をするような人では絶対にない。それは、閣僚としてああいう場に立つわけですよ、ありもしないことを言うような、斎藤健という人では、まったくない。それは、彼がそう言うからには、そういうことはあったんでしょう」
さらに、安倍氏が犯人捜しを求めたことや、「圧力」を軽視するかのような発言をしたことに反発を強めた。
「それじゃあ、『じゃあ誰なんだ』という話ですけれどね、これ、仕組みが財務省のセクハラ疑惑と似ている気がするんですよね。それは『名乗り出なさい』って言うのがね。被害者が名乗り出なさい、というのが。斎藤さんは、『誰』というのは言わないですよ。そこは彼の色んな配慮があったんだと思う。言っちゃったらどうなるか。もう、それこそ党内はめちゃくちゃでしょうよ」
「そういう(自民党から当選して活動している)人に対して、それは『風物詩のようなもの』だとか、『そういうことはよくある』とか、そうだとしても、そういうことがあるような自民党であってはならない。そういう自民党にしたくない。私はそう思います」
対して安倍氏は、名前が出ないことの悪影響を強調した。
「名前を言われないたびに、色々な人が疑われていて、週刊誌から『あなたが言ったんだろう」』と言われている。非常に嫌なことになっているんですね。自民党の総裁選、私は最後の総裁選ですから、そんな総裁選にはしたくないんですよ」
「誰々がこう言った、と言えば、言われた人は、それは反論すればいいじゃないですか。私と言うよりも、我が党自体が棄損されると心配している」
ただ、石破氏の強い反発に押されたのか、安倍氏は「辞表を書いてからやれ」という発言自体は否定せずに、「文脈」を重視する方向にトーンダウンした。
「(斎藤氏は)非常にまっすぐな人ですから、彼がそういうことでウソをついたとは思っていません。でも、どういう話の中であったか、という文脈を見なければいけませんし...」
斎藤氏は9月18日の記者会見で、
「私が申し上げたことは金曜日の私の発言で尽きており、改めて追加をしたり改めて解釈をしたりする、そういうことはない」
と説明している。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)