2018年9月15日、女優の樹木希林さんが乳がんのため亡くなった。75歳だった。
訃報を受けて著名人からも多くの追悼の声が上がっている。
「怖ろしい喜劇女優が出てきた」
樹木さんの早すぎる訃報を受けて、ツイッター上では多くの声が上がっている。
タレントのラサール石井さんや女優の石田ゆり子さんなど、著名人からもツイッターやインスタグラムなどで哀悼の意が述べられている。樹木さんの演技や人となりを振り返り、「カッコいい日本人としてのお手本」、「僕もあのようにいきたい」との声も上がっている。
ラサール石井さんは、若いころから樹木さんがおそるべき才能を発揮していたとして、次のように語る。
「『時間ですよ』以前の樹木希林さんを誰も語ってくれないが、「七人の孫」のお手伝いさんの役で、毎回森繁久弥氏と丁々発止のアドリブ合戦を繰り広げていた。おそらく二十代半ばだったろう。怖ろしい喜劇女優が出てきたと子供心に思った」
同じように樹木さんの才能について語るのは石田ゆり子さん。
「希林さんの言葉を一言も漏らさず聞きたくてわたしはいつも、ただただ黙って見つめるばかりでした。尊敬と感謝しかありません。ありがとうございます」
「死を大したことではないとも言っていて、面目躍如」
別居状態が長かったり、病魔に侵されたりと樹木さんの人生は波乱万丈だった。その生き方に感動する人も多い。映画監督の想田和弘さんもそのひとりで、
「人間誰しもいつかはあの世へ逝く。最期の最期まで朗らかに精力的に仕事をされ素晴らしい作品を残された希林さんの『いき方(逝き方/生き方)』には、憧憬の念を禁じ得ない。僕もあのようにいきたい。合掌」
作詞家の及川眠子さんは、
「美人に生まれつかなかった女(私もそうだw)が最後に目標にするところはカッコいいババアで、樹木希林さんはまさにそれを体現してくれていた人。年齢を隠さない。老いをきちんと受けとめる。そして凛とした生き方を貫くと、年取ってから美人と呼ばれるってことを証明してくれた」
ロックユニットのBOOM BOOM SATELLITESは、
「我々の世代にとって樹木希林さんとはファッション、ユーモア、佇まい、所作に至るまで、いつの時代もカッコいい日本人としてのお手本のような存在であったように思います。最近ではその最期の時の迎え方まで。品があって堂々としておられた。大切な事を教えてくれた人。ありがとう」
と感謝を表明した。
落語家の立川談四楼さんは、たえず死の影を感じながらの生き方に対して、次のようにつづった。
「映画『万引き家族』の透明感ある演技は滅多に見られるものではないとお勧めしたが、あの時の感覚が当たってしまった。しかし言ってることが抜群に面白い。夢を持たず期待しないからガッカリしない。そして死を大したことではないとも言っていて、面目躍如であった」