「死を大したことではないとも言っていて、面目躍如」
別居状態が長かったり、病魔に侵されたりと樹木さんの人生は波乱万丈だった。その生き方に感動する人も多い。映画監督の想田和弘さんもそのひとりで、
「人間誰しもいつかはあの世へ逝く。最期の最期まで朗らかに精力的に仕事をされ素晴らしい作品を残された希林さんの『いき方(逝き方/生き方)』には、憧憬の念を禁じ得ない。僕もあのようにいきたい。合掌」
作詞家の及川眠子さんは、
「美人に生まれつかなかった女(私もそうだw)が最後に目標にするところはカッコいいババアで、樹木希林さんはまさにそれを体現してくれていた人。年齢を隠さない。老いをきちんと受けとめる。そして凛とした生き方を貫くと、年取ってから美人と呼ばれるってことを証明してくれた」
ロックユニットのBOOM BOOM SATELLITESは、
「我々の世代にとって樹木希林さんとはファッション、ユーモア、佇まい、所作に至るまで、いつの時代もカッコいい日本人としてのお手本のような存在であったように思います。最近ではその最期の時の迎え方まで。品があって堂々としておられた。大切な事を教えてくれた人。ありがとう」
と感謝を表明した。
落語家の立川談四楼さんは、たえず死の影を感じながらの生き方に対して、次のようにつづった。
「映画『万引き家族』の透明感ある演技は滅多に見られるものではないとお勧めしたが、あの時の感覚が当たってしまった。しかし言ってることが抜群に面白い。夢を持たず期待しないからガッカリしない。そして死を大したことではないとも言っていて、面目躍如であった」