『新・人間革命』。創価学会の池田大作名誉会長が、機関紙「聖教新聞」で長年執筆し続けてきた小説である(名義は「法悟空」)。学会の歴史を描く大長編で、前作の『人間革命』も合わせれば、その連載は実に半世紀を超える。
その『新・人間革命』が、このほど完結を迎えたというニュースが飛び込んできた。
「ペンの大闘争」と大絶賛
「創価の先師・牧口常三郎先生、
恩師・戸田城聖先生、
そして、尊き仏使にして「宝友」たる
全世界のわが同志に捧ぐ」
2018年9月8日付聖教新聞、「池田大作」名義のこのメッセージで、『新・人間革命』はその長いながい物語に幕を下ろした。連載回数はなんと6469回に上る。1993年11月以来、25年近くの長期連載だった。山岡荘八の『徳川家康』などを超え、日本史上「最長の新聞小説」とされる。
池田氏は1965年~93年にかけ、創価学会第2代会長の戸田城聖氏(1958年没)の半生を描く作品として『人間革命』を聖教新聞に連載している。『新・人間革命』はこの続編で、池田氏自身をモデルにした「山本伸一」を中心に、創価学会の歴史を描いてきた。学会においては、非常に重要な作品として位置づけられる。
それだけに最終回が掲載された8日付の紙面では、一面に原田稔会長直々の談話が。「池田先生が命を削る思いで続けてこられた『ペンの大闘争』に、池田門下を代表して、満腔の感謝を捧げるものです」「『人間革命』『新・人間革命』を学び続ける限り、学会が永遠に勝ち栄えていけることは間違いありません」とつづれば、コラム欄の「寸鉄」が「『新・人間革命』が完結。さあ心も新たに栄光凱歌の日記文書を!師と共に」と呼びかけるなど、紙面各所に祝賀のメッセージが織り込まれている。
ネット上でも記念特設サイトが作られ、各界からのメッセージが掲載されるなど、学会内部ではまさに「一大事件」だ。