田中光監督に不安の声 結局、塚原本部長頼りか 体操界の人材難露呈

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   パワハラ疑惑に揺れる日本体操協会は2018年9月13日、2020年東京五輪の予選を兼ねた世界選手権(10月開幕・カタール・ドーハ)で同協会理事の田中光氏が女子監督として指揮を執ると発表した。

   宮川紗江選手へのパワハラ疑惑で第三者委員会から調査を受けている塚原千恵子・女子強化本部長は、一時的な職務停止措置を受けており、8月のジャカルタ・アジア大会で女子監督を務めた田中氏が抜擢された。任期は世界選手権終了までの「暫定政権」となるが、第三者委員会の調査内容次第では東京五輪までの「長期政権」となる可能性もある。

  • 塚原体操センターの公式サイト
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田中氏の「クリーン」と「無害」

   田中氏は清風高で池谷幸雄氏の2学年後輩となる。選手としては、1996年アトランタ五輪に出場するなど日本トップクラスの実力を誇った。同五輪の平行棒においてオリジナル技「タナカ」(懸垂前振りひねり前方かかえ込み2回宙返り腕支持:難度F)を披露し認定された。ロックバンドのX JAPANのファンである田中氏はこの技に「ヒカルX」と命名しようとしたが、協会から却下されたというエピソードの持ち主だ。

   協会の広報委員を兼任している田中氏は、流通経済大で教鞭をとる教授でもある。現在、学校やクラブなどで特定の選手を指導していない。今回、協会が白羽の矢を立てた理由もそこにある。田中氏は、特定の派閥にも属さず、特定の団体にも利害関係がない。そのクリーンさが協会から「評価」された形だ。田中氏以外にも数人、監督候補として挙がった人物がいたが、それぞれ学校やクラブで監督を務めている。代表監督になれば当然、そこに利害関係が発生し、今回のパワハラ騒動の二の舞となる可能性も十分考えられることから「無害」の田中氏にご指名がかかった。

   クリーンな田中氏を監督に据えることで体裁を整えた形だが、周囲からはこれまで選手を育成した実績のない田中氏の指導力に不安の声が上がっているという。

   体操協会に精通する全国スポーツ紙のデスクは「確かに田中さんは人柄がいいし、広報としてメディア対応をしているのでメディアの受けもいい。ただ指導者としての実績がないのが一番の難点。このまま東京五輪まで代表監督として指揮するのならば、メダル獲得の可能性は低いと言わざるを得ないですね。協会もそれは分かっているはず。だけどこの騒動ですから監督人事で下手は打てない。背に腹は代えられないということですよ」と体操協会の人材難を指摘した。

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