テニスの4大大会・全米オープンで日本人初優勝を果たした大坂なおみ選手(20)の帰国会見で、テニスと無関係な質問が相次いだことに、元プロ野球選手の長嶋一茂さんが苦言を呈した。
長嶋さんは「記者側がテニスのことを勉強して、テニスの質問を1つでもした後に」競技外のことを聞くべきと見解を述べた。インターネット上では「正論」との声が多くあがったが、「視聴者のレベルに合わせただけ」との意見もある。
「アスリートであって、芸能人とは区別すべき」
一茂さんは2018年9月14日放送の「羽鳥真一モーニングショー」(テレビ朝日系)に出演。13日の大坂選手の帰国会見について、「質問する記者も、芸能人に対して質問しているような印象。大坂選手はスポーツ選手、アスリートであって、芸能人とは区別すべきと思います」と苦々しそうに語った。
会見では、「日本でカツと抹茶アイスクリームを食べたいと言っていたが食べたか?」「インスタグラムにどんな写真を掲載したい?」「海外の報道で、『古い日本人像』を考え直すきっかけになると言われているが、自身のアイデンティティ含めてどう考えているか?」といった、テニスや全米オープンと無関係な質問が続出。異様な雰囲気に包まれたセリーナ・ウィリアムズ選手との決勝戦について聞いたのは、海外メディアだった。
一茂さんは番組で、「凱旋帰国して『あのセットの時はどういう心境だったか』とか、『ラケットはどういうものを使っているのか』とか、聞いてもらえると意思疎通できると思う」とし、
「最初から身の回りのプライベートに来るのは...。記者側がテニスのことを勉強して、テニスの質問を1つでもした後に『インスタグラムどうですか』と聞くとか。あるいは、会見前に大坂選手にどういう話をしたいか聞いておいて、そこに誘導するようなことをしてからなら、まだ(分かる)」
と苦言を呈した。
一方で「興味本位的なことを聞くのは分かります」「僕も大坂選手は何を食べてるのかとか、もちろん(興味)あります。スポンサーの記者会見だし、かしこまった会見とは違う」と、プライベート関係の質問に理解も示した。
「そこに質問が集中するのは当然」
一茂さんと異なる考えもあり、テレビ朝日コメンテーターの玉川徹さんは番組で「日本人が果たせなかった(4大大会優勝という)夢を20歳にして果たした。『大坂さんってどんな人なんだろう?』というのが一番の興味になっており、そこに質問が集中するのは当然」と主張。プレーの話が増えた場合、「テニスをやる人の一部にしかわからない技術的な話になると思う。どれだけの人が良い質問だと思えるか」と疑問を示し、「技術のコアな部分を聞きたい人は、テニス雑誌などそのためのメディアがある」と住み分けされているとの考えを述べた。
一茂さんの見解にインターネット上では、「一茂が正論言ってる」「日本は芸能とスポーツは同じカテゴリですから」と共感するものが多く見られたが、「これはいいと思うけど だって死ぬほど聞かれてるだろテニスのこと」「テニスの話題何かつまらないだろ。視聴者のレベルに合わせただけだろ」とするものもあった。