「キャバクラ7」事件にみる国内組の憂い
日本人監督が前回のW杯直後から代表を指揮する初めてのケースとなる森保監督の強みは、なんといっても日本人選手を知り尽くしていることだろう。U-21代表監督を兼任しており、若い世代にも精通している。また、コスタリカ戦でのスタメン7人がJリーガーで、海外組を特別扱いしない「公平」さを持ち合わせている。
歴代代表監督は海外組を重宝する傾向があった。海外のクラブで活躍するだけの実力があるのだからスタメンが海外組で占められるのも当然だが、代表に招集された国内組が試合出場のチャンスをなかなか与えられなかったことも事実。これはチームの崩壊に繋がりかねない。
2004年2月にこのような事件があった。W杯ドイツ大会第一次予選突破へ向けて日本代表が鹿島で合宿を張っていた時のこと。大久保嘉人(当時C大阪)ら7人の代表選手が夜間、無断外出しキャバクラで大騒ぎしたとして週刊誌にその模様をスクープされた。俗にいう「キャバクラ7」事件だ。
当時のジーコジャパンのレギュラーは、海外組主体の構成されていた。これに不満があっての無断外出だったかは不明だが、「キャバクラ7」のメンバーはすべてが国内組。彼らのやるせない気持ちが爆発したのかもしれない。
幅広い世代を網羅し、日本代表の歴史も知り尽くす森保監督。そのバランス感覚は、どの歴代監督よりも長けているようで、このバランス感覚こそが、今の日本代表に必要なものだと言えそうだ。