「10番はあのくらいボール運んでくれないと」
多少強引にでもゴールに向かって自ら仕掛けた10番・中島。ドリブルやシュートは「目立つ」プレーだった。あえて比較するなら、ロシアW杯の10番・香川は、トップ下として乾ら味方を生かす黒子のような役割を担った。前線のスペースを作り出すため、下がり目のポジションを取って「消える」こともあった。
ネット掲示板では「香川は突っつくだけだからなあ 10番はあのくらいボール運んでくれないと」「あれが10番のプレーですわ 周りが困ったら中島にボール渡して打開してくれって感じで あきらかにチームを引っ張ってた」と、「10番」として両選手のプレーを比べる向きもある。
ただコスタリカ戦の中島には、「ミスも少なくて良かったけどボックス(編注:ペナルティエリア)の中にゴリゴリ入っていくような怖さも出して欲しいわ」との声もある。数字だけで見れば、ゴールやアシストは記録していない。
コスタリカはFIFAランクで格上の32位(日本は55位)だが、1.5軍のメンバーだった。一方の森保監督も、ロシアW杯で主力だった香川ら海外組の招集を見送っており、両チームにとって「テスト」の位置づけだ。新生代表は1試合を終えたにすぎない段階。「中島、香川、堂安の二列目が共存して機能するなら日本代表は確実にレベルが上がる」と、今後の融合を期待する声は数多い。
第1期ドルトムント(ドイツ)時代の香川は、ゴールの近くで勝負し、得点をあげるタイプだった。その後12年にマンチェスター・ユナイテッド(イングランド)へ移籍すると、徐々にプレーの幅を広げている。当時23歳。今24歳の中島が、現在のポルティモネンセ(ポルトガル)から欧州4大リーグ(スペイン、イングランド、イタリア、ドイツ)に移籍することがもしあれば、また変化していく可能性もある。