自民党が擁立した前宜野湾市長の佐喜真淳氏(54)と、いわゆる「オール沖縄」が支援する衆院議員の玉城デニー氏(58)の一騎打ちの構図が固まった沖縄県知事選(2018年9月13日告示、30日投開票)に、鳩山由紀夫元首相が大きな関心を寄せている。
鳩山氏が動画配信番組やラジオで明らかにしたところによると、玉城氏は鳩山氏に電話で支援を要請。玉城氏が当選した際には、鳩山氏はあらゆる形で沖縄のために尽力したいとしており、仮に副知事就任の要請があれば「言われたら行くだろうね」と意欲を見せている。
「元総理が副知事やればいいんだ、そんなの!」
鳩山氏は米軍普天間飛行場(宜野湾市)移設先について「最低でも県外」を掲げて首相になりながら結局は実現できず、名護市辺野古への移設問題について「事態をこじらせた」などと批判を受けたが、「基地撤去のために県民に寄り添った」と支持する声も根強い。
そんな中、鳩山氏は動画ニュースサイト「ニューズ・オプエド」が9月4日に配信した番組で、玉城氏について
「地元では結構人気があるし、彼はしっかりと翁長さんの遺志を継いでくれると思う」
と期待を寄せ、3日に玉城氏から
「物心両面でよろしくお願いします」「とにかく力を貸してください」
といった支援要請の電話があったことを明かした。
番組では、鳩山氏の知事選出馬説があったことも話題に。出馬を促す出演者に対して、鳩山氏がおどけながら
「分かりました...、って言えるわけないじゃないですか!」
と否定。だが、アンカーマンの上杉隆氏が、小泉純一郎元首相のマネをしながら
「デニーさんはね、当選したらね、副知事をね、決めるね。元総理が副知事やればいいんだ、そんなの!」
と水を向けると、鳩山氏は
「それは、言われたら行くだろうね」
と前向きだ。副知事に限らず玉城氏から何らかの要請があった際には
「それは当然やりますよね。やらないと...」
と話した。
「政治家を辞めた後の命は沖縄に捧げたい」
9月11日夕方放送のラジオ番組「荒川強啓デイ・キャッチ!」(TBSラジオ)では、玉城氏と並ぶ形で出馬が取りざたされ、玉城氏の選挙母体の会長を務めている呉屋守将氏(県内建設大手「金秀」グループ会長)からも「足りないんだよ!」といった支援要請があったことを明らかにした。応援演説の可能性について問われると、「政治家を辞めた後の命は沖縄に捧げたい」とまで述べ、協力を惜しまないことを強調した。
「当然、プラスだと(現地に)理解していただければ飛んでいきますけれども、そうでない形でも応援したい。ただ、大事なことは、その後、もし何らかの役に立つことがあれば、自分の、ある意味で、政治家を辞めた後の命は沖縄に捧げたいと思っている人間ですから、それは、仕事したいと思いますね」
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)