池上彰さんが司会を務めるフジテレビ系番組で、ゲストの小中学生に大勢の子役タレントが交じっていたことが、ネット上で論議になっている。安倍晋三首相がトランプ米大統領に「忖度」しているなどと、小6の出演者が述べたことを理由に、「仕込みのヤラセではないのか」との臆測も飛び交っている。
この騒動に対し、元子役の女優・春名風花さん(17)は「子役とそのお家をバカにしすぎ」とツイッターで訴えた。
日米関係の議論で「忖度ばっかりしている」
話題になっているのは、2018年9月7日放送の番組「池上彰スペシャル!」(フジテレビ系)だ。「日本はアメリカのご機嫌取りばかりに見えるのはなぜ?」とのテーマで、小6女子の出演者が「トランプさんが校長先生で、安倍さんがなんか担任の先生みたい」と切り出し、「(日本は)忖度ばっかりしている」と述べた。
番組の放送後、出演者に芸能プロ所属の子役タレントもいたことがツイッター上で話題になった。「仕込みのヤラセがあるようにも思える」「一般の小中学生に思わせる印象操作にならないのか」と疑問の声も寄せられることに。いくつもの芸能プロが所属子役タレントの番組出演をホームページなどで告知しており、J-CASTニュースの調べでは、出演者のうち少なくとも20人が子役タレントだった。
こうした論議を受け、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔さんが9月10日、「池上彰の番組で子役仕込んで政権を批判する発言をやらせてさせたっての流れて来たけど、それ言うやつ、どんだけバカなんだよ」(本文ママ)とツイート。
「テレビは基本、出演したい子を事務所から募集して、思ってることなんでも聞いていいよって打ち合わせするんだよ」
と、ネット上の「発言仕込み」説を一蹴した。
すると、元子役の春名さんも10日、ツイッターで「打ち合わせ通り言われたことを自然に喋るにもそこそこの子役スキルが必要です」と投稿。その上で、
「仕込みの可能性は薄いんじゃないかな?と、台本通りやれる才能あふれる子役だったぼくは思います。笑笑」
と、こちらも「仕込み」説に異論を唱えた。
自身の子役時代を振り返る
春名さんはその後、「子役時代に台本をまんま読まされるようなことはなかったし、セリフは自分で考えたものでした」と子役時代を振り返る。
「自由に喋らせて、番組にあう発言をした子だけを編集がピックアップして使ったと考えた方が自然だと思います」
との見解を示した。
ただ、こうした自らの経験談を紹介するツイートにも「そういう擁護発言もう止めて」といった反論のリプライが寄せられたことを受け、春名さんはその後、
「普通に考えていくら子役でも『テレビで政権批判してください』なんて要求に真面目に応えるご家庭はないですよ。子役とそのお家をバカにしすぎ」
「元・子役としてぼくが言いたいことは『子役に対する偏見やめて』『子役だって普通の子』『そこまで魂売ってないわ』っていうことだけです」
「『妄想にとらわれて見えないものを見ている人には何を言ってもムダ』ってことが良くわかりました」
などと主張した。
一方、ネット上の疑問や批判の声に対し、フジテレビの企業広報室は9月11日のJ-CASTニュース編集部の取材に対し、「出演している小中学生は、自ら抱いた疑問について質問し、自分の言葉で意見を述べています」などと回答している(11日配信「池上彰氏番組、子役タレント20人以上出演!~(略)」)。