「事故現場の撮影はやめてください」――。2018年9月10日朝、男性が列車の下敷きになる事故が発生したJR八王子駅(東京都八王子市)で、こうしたアナウンスが構内に流れた。
J-CASTニュースの取材に、現場に居合わせた乗客の1人が「確かに聞きました」と認めた。ツイッターに寄せられた報告によれば、事故の現場をホーム上から撮影する複数の乗客がいたという。
「写真を撮るなと言っているのに...」
10日の事故は朝7時55分頃発生。中央線快速のホームで、男性が列車の下敷きとなった。報道によれば、ひかれた男性は足などにけがを負ったとみられ、病院に搬送された。この事故の影響で、同線は上下線ともに1時間近く運転を見合わせた。
いまネット上で注目を集めているのは、こうした事故の発生直後の出来事。このとき八王子駅にいたというあるツイッターユーザーが、
「駅員さんが写真を撮るなと言っているのにも関わらず、見せ物にしたいのか笑いながら撮る人を数人見かけました」
と報告したのだ。この目撃者は続けて、
「救急隊員の方が血まみれになりながらも頑張ってらっしゃるのに、それを撮るのは許せないです」
とも訴えていた。
また、駅構内のスピーカーからは注意を呼び掛ける放送も流れたという。このアナウンスを聞いたという男性会社員(34)は11日、J-CASTニュースの取材に対し、
「アナウンスについては、スピーカーで構内全域に流れており、それを聞いて、撮影をしようとしている人物がいることを知りました」
と説明。放送が流れたのは1度だけではなく、同様のアナウンスが複数回行われたという。
JR東「こちらでは確認できていない」
また、アナウンスの具体的な内容については、「動画や写真を撮っている方がいますが、そのような行為は絶対におやめください」といった言葉だったと説明。また、駅員が強い口調で、
「撮影はやめてください!!」
と注意する放送もあったとしていた。
こうしたアナウンスを耳にしたのはこの男性だけではなく、ツイッター上には上記のような注意喚起があったことを伝えたうえで、「人生初よこんなの」「びっくりしました」と驚きを露わにするユーザーも出ていた。
JR東日本八王子支社の広報担当者は11日午後、J-CASTニュースの取材に対し、撮影を控えるよう呼びかける放送があったかどうかについて「こちらでは確認できていない」と回答。ただその上で、
「そうしたアナウンスをするよう指導をしているわけではありませんが、現場の社員の判断で行うことはあるでしょう。やはり、事故に遭われた方のご心情もありますし、常識的に考えて、(駅員が)そうした注意をせざるを得ない状況もあると思います」
と話していた。