立憲民主党に所属する衆院議員が東京医科大の裏口入学事件で逮捕・起訴された関係者を引き合わせたと指摘されている問題で、福山哲郎幹事長が2018年9月10日の定例会見で、引き続きコメントを避けた。
福山氏は18年8月の会見で、「大手のメディア、報道機関に実名があがってもいない状況」だということを理由にコメントを避けていたが、その後の枝野幸男代表の会見で質問が繰り返し飛び、産経新聞の名物記者によるコラムで大々的に批判された。そういった中でも、今回の問題は「出所不明のブログの内容にからむ域」にとどまると主張している。
「報道機関に実名があがってもいない」と沈黙守っていた
裏口入学事件では、前理事長の臼井正彦被告(77)=贈賄罪で在宅起訴=と文科省前科学技術・学術政策局長の佐野太被告(59)=受託収賄罪で起訴=を引き合わせたのは、医療コンサルタント会社元役員の谷口浩司被告(47)=贈賄罪で起訴=だと報じられている。たが、谷口被告の妻を名乗る人物がウェブサイトを開設し、立憲民主党所属の衆院議員が「実際の紹介者」だと主張。会食の日付や場所だとされるものも明記されている。
この問題は7月末の段階で夕刊フジが報じていたが、福山氏は8月21日の会見で、
「大手のメディア、報道機関に実名があがってもいない状況で、出所不明のいろんなところで議論されていること」
だとしてコメントせず、枝野氏も9月3日の会見で、記者から
「社会部が動いている。司法記者会が動いている。それでも、枝野さんとしては何も言わないつもりなのか」
「政党の代表としての責務から、うかがいたい。それでもお答えいただけないのか」
といった質問が相次ぐ中
「知見がない」
の一点張りだった。
7月の夕刊フジの報道は衆院議員を匿名にしていたが、9月7日付の産経新聞に掲載されたコラム「阿比留瑠比の極言御免」では、「知見がない立憲民主党」と題して、問題を衆院議員の名前入りで大々的に取り上げた。字数にして、見出し以外の本文だけで約1300字。
「出所不明のブログ」なのでコメントできない
福山氏や枝野氏の会見の内容を紹介しながら、「もり・かけ」問題で立憲民主党が安倍晋三首相に対して「やっていないことを証明する『悪魔の証明』」を求めた、としながら、
「自党のことになると、きちんと説明するどころか『知らない』『答えられない』で逃げる。他人に厳しく自分に甘い傲慢な体質は、旧民主党時代から変わっていない」
などと非難する内容だ。
このコラムの掲載で、「大手のメディア、報道機関に実名があがってもいない状況」ではなくなったとも言えそうだ。だが、この問題が産経新聞のコラムで取り上げられたことを指摘されても、福山氏は
「私はいまだに、出所不明のブログの内容にからむ域が出ているとは思っていないので、何らかの、今私がコメントをするのは適切ではないと思っている」
と述べるにとどめた。
(J-CASTニュース編集部 工藤博司)