塚原夫妻、再び反撃ムード? TBS取材に自信「精神的に強い人はパワハラと...」

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   日本体操協会の塚原光男副会長(70)と塚原千恵子・女子強化本部長(71)夫妻が「ビビット」(TBS系)のインタビューに応じ、リオ五輪代表の宮川紗江選手(17)からパワハラを告発されている中で、光男氏は「精神的に強い人は大してパワハラと思わないし、弱い人は『あんたダメよ』くらいに言っただけでもパワハラと感じます」との認識を示した。

   パワハラ問題で第三者委員会に調査される身だが、千恵子氏は「私は自信ありますよ」として自らに非がないことを強調した。塚原夫妻の姿勢にインターネット上では「反省は伝わってこない」といった声もあがった。

  • 宮川紗江選手のフェイスブックから
    宮川紗江選手のフェイスブックから
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「僕は教育的指導だと思って言っています」

   2018年9月10日放送の「ビビット」では、塚原夫妻が8日に応じたインタビューを放送。宮川選手が夫妻のパワハラを告発した8月29日の会見を見て、「違うと言ってもまた叩かれる。子供対大人で、子供がかわいそうとなるから、私はマスコミに出ないことにしました」と思うところが多いことをいきなり匂わせた。

   宮川選手は、夫妻に呼ばれた7月の面談が「高圧的だった」と主張しているが、千恵子氏は「年齢差があり、威圧感はあったかもしれない。でも話し方はこんな(温和な)感じです。だから私は自信ありますよ。第三者委員会に呼ばれても、私は絶対に声をあげたり、『あんたこうしなさい』と言ったりしたことはないので、自信あります」と非がないことを強調した。

   光男氏は「『高圧的』というのは、『暴力を肯定するような指導者は、優秀な指導者ではありません』と僕の理論を言いましたので、そのことじゃないかな」と推測すると、

「僕は教育的指導だと思って言っています。相手が高圧的に指導を受けたと思ったなら分かりません。相手にもよるでしょう。精神的に強い人は大してパワハラと思わないし、弱い人は『あんたダメよ』くらいに言っただけでも、パワハラと感じます。パワハラの概念がはっきりまだ確立されていない」

と主張した。問題が表面化してからの自身らの言動についても、「我々はやるべきことをやった。全然間違っていない」と自信を見せている。

   こうした夫妻の主張に、番組スタジオでは、ジェンダー法などが専門の谷口真由美・大阪国際大学準教授が疑問を示した。「パワハラは基本的に上下関係、圧倒的な力関係を背景として起こります」とすると、

「真綿で首を絞めるようなパワハラもありますが、それだけでなく、『あなたのことを思ってるのよ? だからこうしなさいね?』と言うのがパワハラにつながることもあります。受けた側の取り方が一番なので。こちら(加害側)から見たら『それくらいのことはパワハラじゃないでしょう』と思うことでも、ご本人(被害側)が嫌だと思ったらハラスメントは発生します。概念は、はっきりしています」

と述べている。

「引き継いでやってくれる方がいれば、いつでもどうぞ」

   スポーツ文化評論家の玉木正之氏は番組で、「長い歴史で築かれた(塚原夫妻の)力はすごく大きいというのを、もう少し自覚していただきたい」としたほか、「(自信が)あるなら記者会見を開いて堂々としゃべってもらいたい。宮川さんに話を聞いてもらえていないなら、なぜ自分たちがそういう立場になったか、気付いてほしい」と眉をひそめた。

   ツイッターやインターネット掲示板では、「個人的には塚原夫妻に悪い印象はない」といった声もあったが、どちらかといえば、「俺は悪くない的言い訳やないか」「先日文書で『宮川選手に直接謝りたい』と、報道で見た気がしますが、どう聞いても自分たち擁護で、反省は伝わってこない」と反発する向きが多かった。

   今後は、塚原夫妻の進退問題の議論も本格化すると見込まれる。同番組インタビューで千恵子氏は「現場がなければ権威や権力なんて欲しくない」、光男氏も「全然執着していない」と発言。経営する朝日生命体操クラブでの指導を優先し、協会のポストにはこだわらない考えのようだ。

   むしろ「これだけ騒がれているから、私をどかす形で協会は考えていると思う」と千恵子氏が言うように、退けられることを見越しているようでもある。だが、その上で光男氏は、

「どなたか引き継いでやってくれる方がいれば、いつでもどうぞ。でも本当にそれでいいんですか? 日本は今度(10月)の世界選手権を戦えますか? 僕はそれが本当に心配。辞任するとかしないとかは大きな問題じゃない」

と自分たちを外すリスクを、どこか人を食ったように主張していた。

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